「頭を持って帰ってきた」母親が見た地獄「運命…」逮捕までの日々 弁護側の主張
◇被害男性との出会い・トラブル ▼その後、帰宅した瑠奈被告と修被告から聞かされた話に浩子被告は驚いた。その内容は、瑠奈被告がクラブでカラオケに誘われた人物について行ったところ、ホテルに連れて行かれ、そこで性的トラブルになったことだった。トラブルになった相手が被害男性だった。 ▼瑠奈被告は男性に怒りを示していたものの、浩子被告には男性について「謝ったら許してあげる」と言っていた。 ▼浩子被告は細かなことは聞いていなかったが、修被告から聞いたところによると、瑠奈被告は性的トラブルによって気分が落ち込むとともに、強い怒りの気持ちを持っていた。
◇両親は男性に“娘と会わないよう”懇願 ▼6月中旬ごろ浩子被告は、瑠奈被告が修被告とともに、すすきののクラブを何件か回って男性を探し、7月1日に会う約束をしたと聞かされた。 ▼修被告と浩子被告は、一度トラブルになった男性と再び会うことには消極的だった。しかし瑠奈被告の意思は強く、とても楽しみにしている様子だったこともあり、とめるようなことは一切言っていない。 ▼そこで浩子被告と修被告は、男性に対し、瑠奈被告に会わないよう直接求めることにする。7月1日午後、修被告が公衆電話から男性に電話をかけ、瑠奈被告の関係者を名乗り、この後、待ち合わせ場所に行かないでほしいと頼む。しかし男性は「向こう(瑠奈被告)も会いたがっているわけだから」などと言って拒否したため、修被告は会うこと自体は止められないと思い、瑠奈被告が嫌がることをしないよう男性にお願いした。
◇「頭を持って帰ってきた」母親が見た地獄 ▼事件翌日の朝、浩子被告は浴室に見慣れないプラスチックのケースと、そこに入った黒いごみ袋のよういなものを目撃する。瑠奈被告が嫌がるので、黒いごみ袋が何かは確認していない。 ▼瑠奈被告から「頭を持って帰ってきた」と聞かされる。浩子被告は半信半疑だったが、頭部のない遺体発見の報道を見て、瑠奈被告の言葉が本当ではないかと考える。恐ろしくて中身は確認していない。 ▼瑠奈被告から「見て」と言われる。あまりに普通の言い方だったため、警戒せずに浴室に行くと、洗い場に人間の頭部が置いてあった。 ▼浩子被告は「この世の地獄がここにある」と思い、深い絶望感に襲われた。