ロシアに不法占拠された「北方領土・貝殻島」の今 ドローン空撮で見えたモノとは
面積わずか約10平方メートル、「貝殻島(かいがらじま)」は1945年にソ連によって不法に占拠され、今もロシアに実効支配されている、行きたくても自由に行けない、日本に一番近くて遠い島である。この小さな島に、古びた構造物が立っている。戦前、日本が航行安全のために建設した「貝殻島灯台」だ。 【写真20枚】ロシア国旗に十字架…不法占拠された「北方領土・貝殻島」を至近距離で捉えた! ***
現在、灯台の保守管理はロシアが行っている。しかし、ご覧の通り傷みが激しくボロボロで、傾いた姿は納沙布(のさっぷ)岬から目視でも確認できるほど。その灯台に昨年7月、ロシア国旗が掲げられ、十字架とイコン(聖像画)も取り付けられているのが確認された。外務省がロシアに抗議するも、今年8月に再びロシアが国旗を掲揚、実効支配を誇示している。 今年9月、その貝殻島の灯台をドローンで空撮した。傾いた灯台の上には、ロープでくくり付けられたロシア国旗に加え、十字架とイコンも確認できる。 現在、日本政府は、特例を除いて北方領土を訪問しないよう、国民に要請している。ロシア入国ビザを取得することが、ロシアの領土と認めることにつながるためである。 先月23日にはロシアの哨戒機が礼文島付近で領空侵犯し、航空自衛隊の戦闘機が初めて赤外線対抗装置「フレア」を使用するなど、緊張が高まっている。 安全保障を重視する石破新総理はどのように対処するのか、今後の日ロ関係の行方から目が離せない。
撮影・文 形山昌由 「週刊新潮」2024年10月24日号 掲載
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