温かい島豆腐を小売で販売できるよう衛生管理手引書を改正、当時を振り返る/全国豆腐連合会
〈法人向けかつ利益率が高いケータリングに着目、お客を定義し差別化を図る〉
上間会長からは、2億円の負債を抱えた家業を継ぎ、代表に就任してから12年で売上を1億円から8億円に増やした自身の経験を語った。上間会長はまず、「中小企業の弱点は会計と財務だ」と見解を述べる。当時、家業の弁当の原価率が67%と高かったことから、徐々に値上げを行いつつ、原材料費を下げ、工場の稼働率を上げた。 さらに、中食の事業領域を「法人向け・一般向け」と「利益率の低・高」の2軸で分類し、法人向けかつ利益率が高いケータリングに着目した。単価が高く取れ、競合が少ないため、販売数が多くなくとも利益が作りやすいと踏み、沖縄の行事・法事向けの仕出し弁当を始めたところ、大きな反響があり、仕出し弁当だけで月700万円の売上を作れるようになった。 他にも、沖縄県全店のファミリーマートで同社の沖縄天ぷらを販売していることを紹介した。 また、「新しい文化を作ることが必要だ。今は、以前からある文化で食べさせてもらっている。しかし、いつか衰退し、魅力を感じなくなるだろう」と指摘し、今ある文化の切り口を変え、魅力的に見える方法を模索していることを話した。 沖縄県豆腐油揚商工組合の瑞慶覧宏至理事長と上間会長との対談では、「差別化を図るには、お客を定義するのがコツ」とした。例えば、高単価で高利益率であるほど競合が少なく、BtoBよりBtoCの方が売上のアップダウンが激しい。またインバウンドはマージンが高く消費者の羽振りが良くなりやすいと述べた。 インバウンド向けの提案として、長期滞在により地元のスーパーに訪れた観光客に対して高単価な豆腐を販売することや、豆腐作り体験などのサービス業を始めることなどを挙げた。
食品産業新聞社