令和でもその「厳しさ」は通用した…38年ぶり阪神日本一を成し遂げた名将・岡田彰布「マネジメント」の極意
新生・藤川阪神への期待
村瀬:阪神の次期監督には藤川球児氏が就任することになりました。解説者として、知的で理路整然とした内容が好評でしたが、引退直後からすでにフロントには監督待望論があったそうです。 ただ、必ずしも頭が良く理論派だから名監督というわけではない、というのは歴史が証明しているわけで。岡田さんのやり方は十分成功したと思いますけど、今度は藤川新監督がどのようにアップデートしていくのか、松坂世代がどういうかたちのリーダーになっていくんだろうかというところに期待したいです。 長谷川巨人の川上哲治監督や南海ホークスの鶴岡一人監督のように、10年、15年やるような人って、もう現実的に考えて無理ですよね。かといって楽天のように1年ごとに交代というのは大問題だけれど。3年が目途でしょうか。いまは3年で結果を出した人が、5年目くらいまで続投するのが理想的なのかもしれません。 組織内に緩みが蔓延したときには、岡田さんのような厳しい“劇薬”を投入して1回締める。でも、劇薬はあくまで短期間しか効かないから、チームが締まった状態になったら、今度は穏健派にまかせて3年とか。令和の監督交代劇は、こうしたスパンで考えていく必要があるのかもしれませんね。 ………… 【つづきを読む】《第4回》『電撃辞任でファンも選手も「中嶋ロス」歴史に残る名将、オリックス・中嶋聡が選手時代に味わった「知られざる苦悩」』 はせがわ・しょういち/'70年、東京都生まれ。'03年に独立。近著に『海を渡る サムライたちの球跡』『プロ野球アウトロー列伝 異端の男たち』など むらせ・ひでのぶ/'75年、神奈川県生まれ。'00年よりライターとして活動。著書に『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』など
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