「検察ナメんなよ!」見立てに合う『証言』強引に引き出す特捜部『取り調べ映像』入手 会社を奪われた元社長「人生が終わっちゃう。冤罪はダメ」
■山岸さんから18億円を借りたO氏 特捜部は山岸さんが『マンション建設の土地欲しさに金を貸した』と見立てをつけ捜査
O氏は、理事長就任に必要だった個人の借金を、学校の財産である土地を売った金で返済したことになるため、業務上横領罪が成立する。 では、18億円もの大金をどこから借りたのか。その出所が山岸さんだった。 特捜部は、山岸さんがこの横領計画を知っていながら『マンション建設の土地欲しさに金を貸した』という見立てをもとに捜査を進めた。
■横領計画を知りながら取引進めた山岸さんの元部下K氏 特捜部は「山岸さんが横領計画を知っていた」という証言をK氏から引き出すべく強引な取り調べを実施
山岸さんの関与を示す客観的な証拠も乏しい中で、特捜部がこだわったのが事件関係者から「山岸さんは横領計画を知っていた」という証言を引き出すこと。 そこで重点的に取り調べを受けたのが、この土地取引の実務を担っていた山岸さんの部下K氏(逮捕、起訴の後、裁判で有罪判決)だった。 K氏自身は横領計画を知りながら取引を進めていたが、「山岸さんには伝えていなかった」と、取り調べに対して答えていた。
■「山岸さんには(横領計画を)伝えていなかった」と話すK氏に検事が強引な取り調べ
田渕大輔検事:あなたは逮捕されてからきょうで5日目ですかね。根本的に何か発想が変わってなくないですか。自分のしたことは悪いことじゃないんだと。そう思ってないですかね。 山岸さんの元部下K氏:いや悪いことです。 K氏は逮捕前から密室で連日、任意での取り調べを受け、精神的にも肉体的にも疲弊していた。 そして、11日に公開された映像の前日には、大きな問題がある取り調べがあったことが、これまでの取材で明らかになっている。実際の映像を見た弁護団によると以下のような取り調べが行われていたのだ。
■K氏のデスクから押収のメモ「山岸さんは関与していない」と社内で口裏合わせした際の証拠だと検察官が主張
田渕大輔検事:なんでこんなもの(K氏のデスクに残されていたメモ)があるの?いや知ってるでしょ。なんでこんなものがあるの?なんであるんですか? 山岸さんの元部下K氏:社内の同僚に相談をしたからですね。 田渕大輔検事:さっきしてないって言ったじゃん。 山岸さんの元部下K氏:はい。 田渕大輔検事:で、なんであるの?なんでうそついたの? 山岸さんの元部下K氏:うそっていうか同僚… K氏が言葉に詰まると、検事は右手を自分の顔のあたりまで振り上げ、振り下ろし手の平で机を1回たたき、言い放った。 田渕大輔検事:うそ嘘だろ!今のがうそじゃなかったら何がうそなんですか! 検事は家宅捜索でK氏のデスクから押収したメモを「山岸さんは関与していない」と社内で口裏合わせした際の証拠だと主張。