ダウンの“あるある問題”を解消! ゴールドウイン渾身の「3D BOX BAFFLE DOWN」のスペックとは
冬の防寒に欠かせないダウンジャケット。だが、暖かさを感じる一方で、被服内にわずかな寒風を感じた経験はないだろうか。この問題に向き合ったのが、ゴールドウインだ。 1951年に創立され、ジャパンメイドの高い品質で、日本のみならず、世界のアウトドアシーンで愛されてきたゴールドウインは、新たなバッフル構造を開発し、特許を取得。その最新のテクノロジーについて、商品企画を担当する加藤さんに話を聞いた。
自社のラボで機能性をデータ化し、商品に反映
ー御社はアウトドアウエアを長らく手がけていますが、その中でダウンジャケットにはどのようなこだわりを持っているのでしょうか? ゴールドウインは現在、スキーやアウトドア、アスレチック、モーターサイクルなどの6カテゴリと、カプセルコレクションのゴールドウインゼロで成り立っています。 なかでもスキーは重要なカテゴリです。というのも、我々はスキーウエアから始まったブランドで、過去にはスウェーデンやイギリスのナショナルチームにウエアを提供してきた実績もあります。スキーにダウンジャケットは欠かせませんから、ブランドとしてはとても重要なアイテムだと考えています。 また、弊社には、8,000m峰級の高所登山にも対応可能なアウターを手がけるザ・ノースフェイスというブランドもあり、社内に蓄積されたテクノロジーが多くのダウンジャケットに反映されています。 ー具体的にどのようなテクノロジーなのでしょうか? 弊社は富山県小矢部市に本店がありまして、併設されたR&Dセンターにはテックラボという研究施設を構えています。ここでは、人工降雨機を使って耐水圧や透湿性を検証したり、温度や湿度を一定に保持した条件下で素材の性能を試験・評価したりしています。 ダウンジャケットにおいては、サーモグラフィ等を使って、体のどの部位を温めると保温性が上がるのかといったことをデータ化しています。たとえば、背骨に沿ったラインを温めると、保温効率が高まり、より暖かく感じることが弊社の研究で判明しているので、ゴールドウインのダウンは基本的には背骨のラインに中わたを集めた設計になっています。 ーデータに基づいて作られているんですね。その中で、今回の3D BOX BAFFLE DOWNが誕生した背景を教えてください。 「ダウンを着ているのに暖かくない」と感じるメンバーが多かったことがきっかけです。原因を調べていくと、体をひねったときに裏地が体に追従せず、その結果生まれたダウンとの隙間が空気の通り道になって、寒さを感じる一因になっているのではないかという仮説が出てきました。 そこで、ダウンを小分けにしていけばうまく体に追従できるのではないかという話になり、開発がスタートしました。