アウディF1計画に不安なし。本社から独立したプロジェクトで”F1向け”スピードを確保……かつての巨人の轍は踏まない?
■売り上げ不振に陥るフォルクスワーゲン
ただフォルクスワーゲングループとしては、厳しい状況に直面している。11月、アウディは中国での販売数が急落したことで利益が91%減少したと報告。これにより、グループ全体での利益も42%減ったという。これに対応するためにアウディは、工場を閉鎖することも検討しており、給与支出を10%削減することも提案されているという。しかしそれでも、F1プロジェクトに「問題はない」と、アウディは主張する。 2024年のカタールGP前には、アウディの持ち株比率第3位のカタール政府系投資ファンドが、チームの株式も少数ながら取得することも明らかにされた。これにより、アウディ本社にかかる可能性がある財政的なリスクを軽減することを目指しているようだ。 ビノット氏は次のように語る。 「我々は勝つまで、そして勝った後もF1で戦い続ける。これは長期的な挑戦だ。そしてここにいるためにF1に参加した。今後もずっと続けていく予定だ」 「我々は勝てるチームになり、ベンチマークを設定し、そしてF1を続けていく。参加して、いずれ去っていくことを目的にしているわけではない。F1はモータースポーツの頂点だ。そしてアウディがその一部になったのは、素晴らしいことだ。そして、これを続けていくことに全力を尽くすだけだ」
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