【わかるニュース】石破、トランプにどう対抗!? 得意の「防衛」から読み解く
敗戦が原点、駐留米軍
日本は戦後まもなくはアメリカ進駐軍という形で米軍基地や施設が国内各地に多数点在した。それが次第に沖縄へ移設され、沖縄が本土に復帰してもなお、在日米軍基地・施設の7割が同県に集中している。 民主党政権下の09年から4年間で、当時の鳩山由紀夫総理は「東アジア共同体構想」を打ち出し、普天間基地について有名な「最低でも県外(移設)」を示唆して大騒ぎになった。「日米地位協定」を含む日米安保の中身で当事者同士がもめると中露朝の周辺専制国に「日米安保がうまくいっていない」と足元を見られかねないが、先に困ったのは米国側だった。 米国第一のトランプ政権が最初に要求してくるのは「思いやり予算」の増額だ。本来、日米安保では「経費は米国、場所提供は日本」と規定されているが、日本側が駐留経費の一部を負担。スタート時の1978年に年額62億円だったものが2021年にはイージス艦1隻に相当する当初比34倍の年額2100億円にまで膨れ上がっている。自由主義国中の米軍駐留経費負担で日本の金額は約75%とずば抜けて多い。他国はせいぜい30~40%だ。この予算は5年分がまとめて改定され、16~20年で計9800億円だったのに対し22~26年1兆551億円(約70億㌦)と徐々に上がっている。26年末に次期交渉があり、北東アジア情勢にうといトランプ政権は日韓両政府に100億㌦ぐらい平気で吹っかけてきそう。けっして相手にしてはいけない。 次に「武器を買え」の要求。日本の防衛費は「27年にGDP(国内総生産)2%へ倍増」を岸田政権が掲げ、石破総理も継承。19~23年の5年間総額27兆4700億円が、23~27年同43兆円と1・5倍に増額を計画。既に日本の軍備費は米中に次ぐ世界第3位まで増えた。増額財源だが石破総理は所得税・法人税・タバコ税を原資に「年内決着」を明言。しかし、衆院過半数を占める野党は同音異句に増税に反対、27年度からの実施は一転不透明に。「3~5%」などとんでもない話しだ。 トランプが前政権時に仲良しだった安倍元総理は「うまく要求をすり抜けた」との印象が強いが、実際はステルス戦闘機「F35」を100機追加購入させられ、計147機も押し付けられた。1機148億円と極めて高額で維持費は年8億円。役にも立たない「イージス・アショア」(イージス艦用弾道ミサイルの地上配備)や「トマホーク・ミサイル」など、合算するとべらぼうな金額で「仲良くてもビジネスは別」のトランプの強引なやり口が透ける。