自ら90度回転し、海上で垂直になる米海軍船 民間の海洋調査船として「第2の人生」へ
「フリップ」と呼ばれるこの船は、水平の状態から船体を半分沈め垂直の状態になることができる。このユニークな直立する船は、1962年に米海軍が建造し、昨年退役した。廃棄処分される予定だったが、今後18カ月の改修作業を経て、民間の海洋研究に従事することになるという。 このユニークな直立する船は、廃棄処分を免れ、海洋研究に従事するという「第2の人生」を与えられた。 「フリップ」と呼ばれるこの船は、水平の状態から船体を半分沈め垂直の状態になることができる。 半潜水艇のフリップ号は、全長約108メートル。数百トンの水を取り込み、船体の約90メートル以上を30分以内に海の中に沈めることができる。そして圧縮空気を使って水を排出することで、水平状態に戻れる。 フリップのジュリオ・マレスカ艦長はこう話す。 ジュリオ・マレスカ艦長 「フリップは解体され、バラバラにされるはずだった。私たちはこの歴史的な船を文字通り救った」 フリップはなぜ垂直になるのか?垂直の状態だと荒れた海でも船体が安定し、波の動きや音の伝播など海洋学の研究に理想的なプラットフォームとなる。 フリップは、もともと1962年に米海軍が音響研究を行うために建造したが、昨年退役した。その後海洋工学会社がフリップを欧州へと運んだ。 海洋工学会社のトム・ハットン氏は、最新の技術で改修されたこの船が再び稼働するのを期待している。 海洋工学会社 トム・ハットンさん 「多目的でありながら電力や通信の現代的な要件を備えたプラットフォームを作り、最新の技術がこの厳しい環境でも展開できるようにしたいと考えている。(中略)この船は、ご覧のとおりかなり古いものだ。1960年代のもので、搭載されている技術の多くもその時代のものだ。それでもこれまで多くの重要な革新、科学技術、海洋研究を支えてきた」 改修作業は今後18カ月かけて南フランスの造船所で行われる予定だ。 *本文の誤字を修正して再送します。