《ブラジル》偽支払い証明で2年もピザ無銭飲食=20歳女性、請求されると死んだふり
20歳の女性がPIX(即時決済システム)の偽の支払い証明書を使ってピザを購入し続け、約2年間にもわたって無銭飲食を繰り返していたしていたことが発覚した。気づいた店側から支払いを求められると、あろうことか死んだふりをして支払いを回避しようとした。女は別の店でも同じ手口で詐欺行為に及んでおり、常習犯であることが明らかになったと24日付G1サイトが報じた。 事件は、ブラジル東北部ペルナンブコ州カマラギベ市にあるピザ屋「デリシャス・デリバリー」で起こった。フランシエリー・ドス・サントス容疑者はここ数カ月の間に少なくとも5枚のピザを注文し、計814レアル(約2万5千円)の損失をもたらした。フランシリー容疑者は昨年、同店で週に3回注文するほどの常連客だったが、店側が詐欺に気づいたのは今年に入ってからだった。 被害にあった店のオーナー、アレックス・レナト・シルヴァさんは、「うちのスタッフが毎回支払い証明書を確認していたけど、特に問題に思わなかったんだ。でもある日、私がちょうどパソコンで事務作業をしているときに容疑者から商品の注文を受けたんだけど、PIXの決済完了通知が届かなかったんです」と振り返った。 翌日、アレックスさんは容疑者から送られた支払い証明書を印刷して銀行に持って行き、入金を確認したところ、それが偽造されたものだと告げられた。 その後、彼はフランシエリー容疑者に支払いを要求するも、何かと誤魔化されて一向に支払う気配が見られず、途方に暮れていると、別の店のオーナーから同容疑者が事故に遭い、その際に受けた手術の合併症で死亡した、という旨のワッツアップのメッセージを受け取ったことを知らされた。 そこには「家族の悲しみをお察しください。今朝まで、私たちの娘は幸せそうに微笑みながらここにいましたが、残念なことに彼女の最期が来てしまいました」とメッセージには書かれてあった。 しかしその3日後、アレックスさんは死んだはずの容疑者を飲み屋で偶然目撃し、目を疑った。「彼女はそこで酒を飲んでいて、話かけに行ったが拒否され、何も払わないと言われた。人でいっぱいだったので、その時は諦めることにしたんだ」と話した。 アレックスさんはその経験を自身のSNSで公表した後、全く同じ手口の詐欺に引っかかった別の店のオーナーから連絡を受けた。 被害者らは、フランシエリー容疑者の勤め先であるスーパーマーケット・チェーンのクレジットカードの受付カウンターに行き、そこで彼女が顧客のカードを偽造していたことがバレてクビになっていたことを知った。 アレックスさんは13日、詐欺の告訴状を提出した。彼によると、容疑者のターゲットはすべてレストランやバーなど食品業界で、被害者の一人は1千レアル以上を失ったのだという。「この類の詐欺被害者がこれ以上出ないことを願っています。家族を養うために必死に働いている人々にとって大きな打撃となるのです」と話した。