竜電と北勝富士

＜大相撲九月場所＞◇十四日目◇21日◇東京・両国国技館 　右ひざを痛めて十一日目から休場していた前頭十三枚目・北勝富士（八角）が土俵に復帰。前頭十四枚目・竜電（高田川）を粘りの相撲で下手投げで下した。全ての力を放出したのか、北勝富士は取組後に土俵下で倒れ込むような一幕もあったが、この熱戦を受けて館内は大きな拍手に包まれた。 【映像】表情が辛そう…休場明け力士の“死闘” 　再出場となったもののプロとして土俵に立つからには、強い姿をファンに届けることが使命である北勝富士が、見事な執念を見せた。立ち合いで攻め込んだ竜電だったが、北勝富士はなんとか凌ぎ、そこから攻めに出た。竜電が土俵際に追い込まれる場面もあったが、苦しい体勢から上手投げを放ち形勢逆転を試みると、北勝富士が下手投げで返し、勝負有り。熱戦に館内は大きく沸いた。北勝富士は7勝5敗2休とし、千秋楽で前頭八枚目・翠富士（伊勢ヶ濱）に勝てば勝ち越しとなる。竜電は7勝7敗となった。 　大相撲中継の実況を務めた高橋大輔アナウンサーが「投げの打ち合いを制したのは北勝富士！両者共に全ての力を出し切りました」と伝えると、解説を務めた元横綱・若乃花の花田虎上氏は「出場するのであれば、北勝富士は絶対に勝たなくてはいけない一番でしたね。それが現れてました」と北勝富士の戦う姿勢を称賛していた。 　その上で花田氏は「動きでわかるように痛がってますよね」と北勝富士の状態について指摘しつつ「執念ですよね。そういうところもお客さんは見てますから」と述べた。ABEMAのコメント欄には「ほっくんががむしゃら」「ほっくんすごい！」「すんげぇー！」「よくやったぁぁぁ」「すごいいい取組！」などの両力士を讃える声が続々と寄せられていた。 （ABEMA/大相撲チャンネル）