ビットコイン開発者は誰?サトシ・ナカモト候補が多すぎる
辛酸なめ子のじわじわ時事ワード【サトシ・ナカモトの正体】
ITの世界でその名を轟(とどろ)かす「サトシ・ナカモト」。暗号資産・ビットコインの生みの親ですが、誰もその正体を知らない謎めいた人物です。 【イラスト】大谷翔平選手の妻・真美子さんが持つバッグの抜群の宣伝効果はエルメス「バーキン」並み? 日本風の名前ですが国籍は不明で、1人ではなくグループという説や、何年も動向がつかめないので亡くなっているという噂もあります。また、ハンガリーのブダペストに胸像が建てられましたが、正体不明なのでフードをかぶり顔も詳細には表現されていません。なんとなくバンクシーに寄せているような……。 アメリカのドキュメンタリー番組「マネー・エレクトリック:ザ・ビットコイン・ミステリー」が、ナカモトの正体を突き止めようとする企画で話題になっています。過去、様々な名前が浮上し、中には自称ナカモトもいましたが、番組では信憑性が高そうな候補が何人か挙げられています。 暗号研究者レン・サッサマン氏、コンピューター科学者のニック・サボ氏、ソフトウェア開発者ピーター・トッド氏、暗号技術者アダム・バック氏など。残念ながら日本人はいません。 サッサマン氏は暗号化に関する学術論文も発表。2011年に亡くなっていますが、ナカモトの正体との説が出ることを当て込み、彼の飼い猫をモチーフにした暗号資産も登場。もし別人と判明したら価値が暴落しそうです……。 サボ氏は世界中で暗号資産に関する講演をするほどの知識人で、写真からも天才の風格を感じます。ナカモトの文章やスペルとも共通点が多いようです。イニシャル「NS」も、ナカモトの「SN」の反対というのも意味深です。 番組が有力候補としたのは、ビットコイン開発にも携わったトッド氏。番組中で笑いながら「私はサトシ・ナカモトだ」と語りました。ただ、「私たちは皆サトシだ」とも言っていた。それだけIT業界に才能ある人がひしめいているということなのでしょう。しかしトッド氏は放送直前「私はサトシではない」と完全否定。本人なら資産は約100万ビットコイン(約14兆円以上)にも上るとされるので、身の危険もあります。 またしても迷宮入りになりそうですが、つい最近、ずっと動きがなかった初期の巨額ビットコインに送金の動きがあったそうです。もしかしてサトシ・ナカモトは生きている……? 姿を現さないまま、世界にメッセージを発信するサトシ・ナカモトはマイニング(採掘)不可能な暗号のようです。
バンクシーの正体
同じく正体がわからない有名人といえばバンクシー。2024年8月にロンドン各地で動物をテーマにした作品を次々に制作しました。すぐ話題になり、人気の撮影スポットに。そして意外なところでバンクシーの姿が捉えられていました。現地の監視カメラに、それらしき人物が。 報じられた写真を見ると、オレンジ色の作業服にヘルメット姿でした。マスクで顔が全く見えません。長年正体を隠し続けてきただけあって、さすがのガードの固さ。監視カメラの存在も把握していたのでしょう。一流の芸術家のプロ意識を見せられました。(漫画家・コラムニスト、エッセイスト)