「運のいい人生」を歩むための意識の変え方
本当にやりたいことなら人は病まない
精神性に関することをお伝えします。 「自分が命の動詞を使って何を探究したいのか、何をやりたいのか。それを自分の使命として捉えてみてください」ということ。私は覚悟、愛や優しさ、そして思いやりといったものを探求したいと考えています。どうしても対人支援的なものを探求したいのです。 クライアントに研究員がいたのですが、当時の研究員の多くは中国やインド出身の方々でした。彼らは非常に優れた大学を卒業し、さらにレベルの高い大学に留学していたにもかかわらず、競争に敗れて精神を病んでしまうことがありました。その原因は、本当の探究心が失われていったことにあります。 物理学や生物学、微生物の研究を心の底から楽しいと感じている人は、精神を病みにくいのです。しかし、そうではなく、自分の地位を守りたい、将来は教授になって安定した生活を送りたいという動機で研究を続けている人、特に親に言われたからという理由で研究を続けている場合には、精神的に追い込まれることが多いのです。 親が研究者であり、自分も研究者になることが当然だと疑いもなく信じてきた子どもたちは、命の使い方が次第に不一致になっていきます。そうなると自己肯定感を発揮できないため、自信がなくなって、勇気も湧かないので自立できなくなり、本当にやりたいことを探求したり、自分の得意技を見つけたりすることが難しくなっていきます。 また、視点を変えたり、多面的な見方をしたりすることもできず、次第に自尊心や受容感、効力感、信頼感が低下していき、最終的には自己決定の指針を見失ってしまいます。 その結果、他者への妬みや嫉妬にとらわれ、執着の対象が金銭や承認欲求になってしまうというパターンが見受けられるのです。そのため何を探求したいのか、どのような精神性でいるのかという点は非常に重要です。
運はあなたにしか良くできない!
これから5秒間、周囲をぐるっと見渡して、「赤い物」が何個あるかを数えてみてください。1、2、3、4、5......ありがとう。はい、では「緑色の物」は何個ありましたか? こう言われると、目には入っていたはずなのに、緑色の物の数を答えられない人がほとんどのはずです。脳というのは、自分が関心を持ったことにだけ、どんどん意識を寄せていくのです。 だから引っ越しをしようかなと思えば、自然と不動産屋さんが目に入るようになります。もともとあったのに気づいていなかった不動産屋さんが、引っ越しを決めた途端にいっぱい見えてくるのです。 ふと時計を見たときに、時刻が自分の誕生日だった、という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。一見すごい出来事だと思いがちですが、実はそれは当たり前のこと。自分の誕生日だから印象に強く残るだけで、ほかの時間を見たときには記憶に残っていないだけのことなのです。 とはいえ、脳が関心を向けたことに意識が生まれるということは、たとえば「自分は運がいいんだ」というふうに思ったのなら、運のいい方向に可能性がどんどん開けていくということです。 「運命を切り開ける」と思えば、本当に運命を切り開けるでしょうし、自分で自分のことを「すごい」って言い続けていれば、潜在意識にもそれが届いて、「自分は本当にすごいんだ」と思えるようになります。 「運が悪いな」「運を良くしたいな」という人は、全ては自分の解釈次第で変わるということを知ってください。自分というものをよく知ったうえで、運を自分で運用できるようになれば、すべてを変えていけます。 占いでも、悪いことは耳に入れなければいいのです。いいことだけ聞いて、いい方向に進んでしまえばいいんです。「今年絶対いいことがあります」「いい出会いがあります」と言われて、それを本当のことだと思えたならば、すごくいいこと。 いいことのほうに注目を置くことが運命を切り開くことになるので、反対に「あなたの人生は最悪ですよ」と言われたことに対して、「最悪かも」と思う人は、もっと最悪になっていく可能性があります。 「運を良くしたい」と思うことからスタートするのです。そのためには、まずは自分の心の中に、いろいろな知識を与えてあげることが大切です。そうすることであなたのセルフイメージが変わってきます。
中島輝(作家)