年収を聞かれたとき、答えるべきは「手取り」?それとも「額面」?
金融取引で使われるのは「額面」
金融取引で年収を聞かれた場合には、一般的には「額面」の年収が収入の基準として使用されます。額面年収が個人収入レベルや信用度を判断する際の基準となるため、手取り年収を聞かれることはほとんどありません。 住宅ローンなどを申し込みのシーンで聞かれる「年収」は、源泉徴収票で税引き前の年収額である「支払額」を答えます。 もし源泉徴収票が手元にない場合や勤続年数が1年以内の場合には、「直近3ヶ月の平均給与×12ヶ月+直近2回の賞与額(または見込み額)」で計算しましょう。この場合の給与や賞与も、「総支給額」で計算します。 また源泉徴収票以外でも、年収を確認する方法があります。勤務先より5月中旬以降(普通徴収や年金徴収の方は6月中旬以降)に配布される「住宅税決定通知書」では、所得の「給与収入」の欄にある金額が年収に相当します。 また地区町村役場で6月上旬から発行できる「課税証明書」の「給与収入金額」の欄にある金額が年収になります。さらに個人事業主などで確定申告している場合、「確定申告書」の所得金額欄にある「合計」に記載の金額が年収となります。
生活費の計算は手取り年収
また、自分自身が生活するうえで自由に使える金額についても、額面ではなく手取りで計算します。繰り返しになりますが、社会保険料や住民税が給与から引かれるため、額面だけで生活費の計算をすると大きな乖離が生まれるリスクがあります。 「1年間に貯蓄や投資に回せる金額」を算出する場合には、手取り年収から支出を引いた金額を目安に決めましょう。 このように、額面と手取りの年収はシーンごとに使い分けるとよいでしょう。
基本的に年収を聞かれたら「額面」を答える
年収を聞かれたときは「額面」の年収を答えましょう。一方生活費や投資など自分の生活に直結する内容の場合は、「手取り」の年収で計算するのが適切です。 「手取り」は記憶に残りやすいですが、残業代や手当、賞与も含めた年収の正しい金額をすぐに答えるのは難しいため、源泉徴収票などでの確認がおすすめです。またローンの審査で源泉徴収票は収入を証明できる書類としても使えるため、1~2年分は保管しておくことをおすすめします。 出典 国税庁 給与所得の源泉徴収票等の 法定調書の作成と提出の手引 p3 国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部