世界へ発信する、ドメスティックブランドの新店&リニューアル店に注目!
いまや世界でも広く知られる日本発のファッションブランド。グローバルな人気を博すブランドから新進気鋭まで、新たに誕生、あるいはリニューアルした注目の11店を紹介。 【写真】日本発のファッションブランド、注目の11店の画像をすべて見る
青山、銀座、原宿……東京のファッションタウンに活気が戻ってきた。おもにアジアを中心とするファッション感度の高い訪日客が、欧米とも韓国とも異なる日本スタイルを求めて街を行き交っている。アフターコロナのこの動きに狙いを定めたのか、ここ数年で国内の有力デザイナーズが直営店を広げ、改装による再スタートにも熱心に取り組んでいる。実店舗ならではの“体験”を得られる、モノからコトへの動き。空間づくりでは旬の建築家やデザイナーを起用し東京発の力強いコラボレーションを見せる。日本ファッションの新店を見て回れば、東京カルチャーの現在を感じ取れるだろう。 その一方で、街の洋品店のごとくパーソナルな店のあり方を追うブランドも増えてきた。東京やパリで大規模なショー発表を行いながらの、顧客との対話を重視した店づくり。ひとつの方向に偏らないのが、いまという時代の切り口なのかもしれない。
【青山】 OTSUMO PLAZA
NIGO®×VERDYの東京カルチャー発信拠点 ファッションデザイナーのNIGO®×アーティストのVERDY。彼らが次世代のアーティストのアイデアを体現できる東京のスポットとしてオープンしたコンセプトショップ。ネーミングの由来は、NIGO®が手がけるヒューマンメイドの運営会社であるオツモから。品揃えの中心はVERDYのプロジェクトアイテム。元はプールだった室内をリノベートし、広々とした贅沢な空間づくりが圧巻だ。ショップ限定アイテムはネット購入ができず、ここでしか買えない。VERDYがかつてこの場所に並んで欲しいモノを買ったという、ワクワク感も体験できる場だ。
【銀座】 イッセイ ミヤケ ギンザ / 442
4フロアの大型拠点、銀座で新たな挑戦へ 海外への発信拠点として大きな役割を果たす銀座に、4フロアの集大成的なショップをイッセイ ミヤケがつくりあげた。メンズウエアのアイム メンをはじめ、グッズのバオ バオ イッセイミヤケやグッド グッズ イッセイ ミヤケ、さらに香水、時計、アイウエアなど10ブランドが展開されている。ここを訪ねればワードローブを一気に揃えられるだろう。空間は、三宅一生のもとでデザインを学び、同ブランドの店舗設計を多数手がけてきたデザイナー吉岡徳仁によるもの。大きな特徴は、リサイクルアルミニウムの素材づかい。特殊な製法による継ぎ目のない壁や階段手すりは、建築ファン必見の迫力だ。このクリーンな世界観が、未来を志向する時代とリンクする。
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