【衆院選2024】「政治とカネ」不信は払しょくされず 情勢調査から読み解く今後の日本
山積する課題の解決は
今回の衆院選では、“政治とカネ”が大きくクローズアップされます(もちろん公正でクリーンな政治の実現はものすごく重要です)が、国民の生命や生活に大きな影響のある優先度の高い課題というのは、他にもたくさんあります。 中国・ロシア・北朝鮮の動向、30年間上がらない賃金、物価高、円安、雇用問題、衰退する地方、食糧・エネルギー問題、教育・研究開発力の低下・・・。若者は未来に希望が持てず、中高年は時代の変化に戸惑い、高齢者は孤独と不安の中にある。日本が世界の先を行く人口減少・少子高齢化を前提に、どうやって活力ある社会を実現するか、世代間の対立を煽るのではなく、すべての方が、安心して希望を持てる社会を作るか、正念場だと思います。 選挙のときは、バラマキ、減税、補助金・・耳に聞こえの良い言葉が溢れます。与野党問わず、「公約」は、言うだけならなんでも言えるし、言った者勝ち、後は知らない、のようなところが、(残念ながら)あると思います。だからこそ、大事なのは、国と国民の利益に資する結果がきちんと出たか、うまくいかなかったとしたら、その理由は何で、それを次に生かせるか、国民もメディアも、引き続き、ウォッチし評価し続けていくことだと思います。 そしてまた、国民一人ひとりも、“お客様”ではなく、より良い国をともに作っていく“同志”だと、私は思います。「国の方向性を決めるために一票を投じる」という意味だけではなく、どうやって国を守るか、どうやって国の経済や教育や社会保障を維持向上させていくか、財源をどう確保するのか、国民一人ひとりの思慮と行動がますます大切になってくると思います。 「国民が政治を嘲笑しているあいだは、嘲笑い値する政治しか行なわれない」(松下幸之助氏) 「国があなたのため に何ができるかではなく、あなたが国のために何ができるのかを問うてほしい」(J.F.ケネディ米大統領) 日本がより良き国に向かっていきますように。 ◆豊田 真由子 1974年生まれ、千葉県船橋市出身。東京大学法学部を卒業後、厚生労働省に入省。ハーバード大学大学院へ国費留学、理学修士号(公衆衛生学)を取得。 医療、介護、福祉、保育、戦没者援護等、幅広い政策立案を担当し、金融庁にも出向。2009年、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部一等書記官として、新型インフルエンザパンデミックにWHOとともに対処した。衆議院議員2期、文部科学大臣政務官、オリンピック・パラリンピック大臣政務官などを務めた。
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