空前の「MAX」ブーム到来 コスパのいい“やさしさ”はどれだ? 中古リサーチ
世は空前の「MAX」ブーム。昨今のヘッドメーカーのドライバーには必ずと言っていいほどラインアップされている。「なにがMAXなの?」「MAXだとどうなるの?」という素朴な疑問を、中古クラブ大好きギアマニアが検証してみた。 【画像】松森杏佳女子プロレスキュー 普段のスイングよりオーバー気味に捻る
MAXドライバーはいつ始まった?
現在、ドライバーに“MAX”モデルがあるメーカーは、テーラーメイド、キャロウェイ、コブラ、ピン、ブリヂストン、ミズノ、プロギアなどが挙がる。11月にはダンロップ(住友ゴム工業)がスリクソン「ZXi MAX」を発売する。
資料をひっくり返してみたところ、最も古いMAXは1999年発売のブリヂストン「ツアーステージV-MAX」のようだ。340ccのヘッドサイズは当時としては最大級で、長さも48インチあった。ルール限界モデルとして、MAXと名付けられたと記憶している。 その後、2008年にテーラーメイドが「r7 CGB MAX」を発売。最近のブームの発端は、2018年のピン「G400 MAX」だと見ている。前年に発売されたG400シリーズは、445ccと少し小ぶりで、G400 MAXは460㏄。ヘッドサイズだけでなく、慣性モーメントがルール限界値に迫った。2020年にはキャロウェイから「マーベリック MAX」、テーラーメイドから「SIM MAX」がリリースされた。
MAXドライバーのメリットとデメリット
MAXの意味はいまや、「ミスヒットの強さがMAX」というものに尽きる。トウ・ヒールの慣性モーメントはルール限界値5900 g・cm2に迫る。そのためヘッドを重くしているモデルが多い。ヘッドが重いとエネルギー効率が上がり、慣性モーメントも大きくしやすいからだ。 一方で重すぎるとヘッドスピードが落ちたり、振り遅れたりするデメリットもある。可変スリーブを加えたヘッド重量が200gを超えると重く感じる場合が多いため注意が必要だ。テーラーメイド「Qi10 MAX LITE」(2024年)やピン「G430 MAX HL」(2023年)、「G430 MAX 10K HL」(2024年)、キャロウェイの「パラダイム MAX FAST」(2023年)などは重量が軽めで、シニアや女性ゴルファーなどにもオススメしやすい。ただし、中古市場ではなかなか見つからない…。 “MAXドライバー”はミスヒットに強いのだが、スライサーや、ヘッドを積極的にターンさせて距離を稼いだ昭和の職人的ゴルファーとの相性はあまり良くない。慣性モーメントが大きい=ヘッドがブレない。ブレないということは、意図的に動かそうと思っても、動かしにくい。メーカー側はフェースが開きにくいように重心角を大きくする工夫をしているが、補いきれないこともある。MAXは全てのゴルファーを救うわけでもないことを忘れずに。