過半数の企業が2024年度に「非正規雇用の賃上げ」を予定。非正規雇用と正規雇用の賃金差はどのくらい?
非正規雇用・正規雇用の平均給与は?
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、非正規雇用者と正規雇用者の平均給与は、下記のとおりです。 ・非正規雇用者:22万1300円 ・正規雇用者:32万8000円 正規雇用者と比較すると、約10万円ほどの給与に差が生じており、依然として雇用形態によって大きな格差が存在していることがわかります。 では、業種別ではどうでしょうか。 厚生労働省の同調査によると、業種別における非正規雇用者と正規雇用者の平均給与は、下記のとおりです。 非正規雇用と正規雇用で最も大きく給与に差が開いている業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」となりました。 また、株式会社マイナビの調査で2024年度に賃上げを予定している企業が多かった「建築業」「宿泊・飲食サービス業」では、非正規雇用と正規雇用とで給与に約8万円~10万円もの差が生じています。 今回の賃上げにより、非正規雇用者と正規雇用者の賃金の差がどこまで縮まるのか、注目が集まっています。
非正規雇用者に対する今後の賃上げ拡充に期待
本記事では、「非正規雇用者の2024年度の賃上げ事情」について、実際の調査データを元に紹介していきました。 近年続く物価高や最低賃金の改定などの影響もあることから、半数以上の企業が2024年度に、非正規雇用者に対する賃上げを予定していることがわかりました。 特に建設業や飲食・宿泊業では人材確保が競争化していることから、企業は賃上げ率を高くし、非正規雇用の待遇改善に積極的に取り組んでいるのでしょう。 また、近年では、通常の賃上げだけでなく「福利厚生の導入・改定」に関心がある企業が多いため、賃上げと組み合わせながら非正規社員に対する福利厚生の見直しや拡充にも期待がされています。
参考資料
・株式会社マイナビ「マイナビ、「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2024年1-2月)」を発表」 ・独立行政法人 労働政策研究・研修機構「「月額3万円以上、時給190円以上、10%以上」の引き上げを目指す/国民春闘共闘の春闘方針」 ・総務省「労働力調査」 ・厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
和田 直子