【体験談】保育園でいつも1人遊び。臨床発達心理士からは「大丈夫ですよ」と言われたけれど…
問いかけ方を変えてスムーズなコミュニケーションを促す
不安がたまったときは、息子より1学年下のお子さんがいる会社の同僚と、日頃感じている思いを話します。 それでも、息子の将来に対する不安でいっぱいになって、気持ちがふさいでしまうことも…。そこである日、民間の発達支援塾に出向き、進路相談会に参加してみました。 モヤモヤが完全に吹っ切れることはなかったものの、「発達の個性に理解のある私立中学への進学」という新たな選択肢に気づくことができたのです。 少し先の未来に目を向け、息子と一緒にいくつかの中学を見学する中で、息子も私も納得できる1校が見つかりました。 先生方がきめ細かい対応をしてくれるうえ、「鉄道研究会」という部活もあり、まさに息子にぴったりの中学です。 受験勉強では、国語は苦手ですが算数がかなり得意で、自信になっているようです。 新たな目標が見つかった頃から、私自身も「会話のキャッチボールがうまくいくよう、息子への働きかけを工夫していこう」と前向きに思うようになりました。 「今日は学校どうだった?」といった抽象的な問いかけが理解できないなら、「今日学校で一番心に残ったできごとは?」と具体的な問いかけに変換。 漢字の書き取りに取り組ませるときも、「ていねいに書こうね」ではなく、「十字のマスのここから書き始めるんだよ」など実践しやすい言い方を心がけるようになりました。 小さな取り組みですが、息子が少しでもスムーズなコミュニケーションをできるように会話を積み重ねています。
じっくり話を聞いてもらえたうれしさと安心感で、豊かな感情があふれ出した
小4の冬、息子の成長を実感できる忘れられないできごとがありました。 義妹のご両親が私たち親子を気にかけてくれて、遠方のお住まいに招待してくださったのです。 3泊4日の滞在中、おふたりは息子にじっくり耳を傾けてくれたうえで、「勉強頑張ってるんだね」「電車のことを本当によく知ってるんだね、すごいね」とほめてくれました。 私たち家族は、つい息子ができないことばかりに目を向けてしまうし、「誰の話をしているの?」「言葉の使い方が違うでしょ」などと話すのを遮ってしまいます。 でもおふたりは、息子が話し終えるまでじっくり聞いてくれたため、彼も安心して話すことができたのでしょう。 最終日、空港に送っていただいてお別れするときに、息子が号泣したんです。 物心ついてから泣いたことがなく、電車に関することで喜んだり興奮したりすることはあったけれど、人との関わりでは、こちらが心配になるほど感情を表現するのが苦手な息子が…。 きっとおふたりに信頼感を持ち、大好きになったからこそ、これほど気持ちが高まったのだと思います。 私は驚くと同時に、「人との関わりでこんなに感情が揺さぶられるようになったんだな」とうれしく感じました。 さらにこのときは、私も「お母さんも頑張りすぎなくていいんだよ」とおふたりに声をかけていただき、張り詰めていた気持ちがふっと楽になったのを覚えています。