米国のジャンクヤードで出会った廃車 40選 後編 雑草に埋もれた半世紀前の名車たち
オールズモビル・トロナド(1966年)
眠りから覚めたかのように、初代オールズモビル・トロナドがわずかに開いた片目からこちらを覗いている。発売初年度である1966年に製造された4万1000台のうちの1台だ。トロナドの前輪駆動レイアウトは当時としては画期的なもので、1966年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーでは米国車としては異例の3位を獲得している。
AMCランブラー・クラシック770(1965年)
AMCランブラー・クラシック770コンバーチブルは、販売台数5000台以下という実に希少なクルマである。しかし、この車両は真っ二つに折れてしまっているため、コンディションは末期的と言っていいだろう。 最高出力145psの3.8L 6気筒エンジンを搭載し、0-97km/h加速12.2秒というゆったりした走りを見せた。
オールズモビル・ダイナミック88(1964年)
この1964年型オールズモビル・ダイナミック88は、今にも宇宙へ向かって飛び出そうとしているように見える。 どこまで飛べるかは、搭載される6.4L V8エンジン、通称「ロケット(Rocket)」のバージョンに大きく左右される。最高出力330psのバージョンなら、0-97km/h加速8.7秒、最高速度は200km/hだから、かなりの時間を飛行できるだろう。同年に製造された3万2369台のうちの1台である。
ビュイック・ルセイバー・コンバーチブル(1967年)
1967年型ビュイック・ルセイバー・コンバーチブルは販売台数3000台に満たない極めて希少なクルマである。ただ、よくあることだが、希少性と価値は必ずしも一致しない。しかし、隣に停まっている、あの醜悪な創造物ほど珍しいものではない(取材班は訪問時に気づかなかった)。
フォード・サンダーバード(1970年)
1967年から1971年まで製造された5代目フォード・サンダーバードは、初期の売れ行きは好調だったものの、時間の経過とともに徐々に落ち込んでいった。消費者の関心を呼び起こすため、フォードは1970年に大幅な改良を行い、新しい角ばったボンネットと鳥のくちばしのような突き出たグリルを採用した。 この個体はほぼ無傷だが、完全に錆びきっており、道路を羽ばたいていた時代はとうに過ぎ去ったことがわかる。