登録有形文化財・kudan house 外観

　東京・九段の登録有形文化財「kudan house（九段ハウス）」を会場に、新しいアートイベント「CURATION⇄FAIR」が初めて開催される。会期は2024年2月21日～3月11日。 　同イベントは、展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」（2月21日～3月3日）とアートフェア「Art Kudan」（3月9日～3月11日、3月8日は招待日）の2部構成。シニアアドバイザーとして山本豊津、キュレーターとして遠藤水城が参加する。キュレーターによる展覧会で作品の社会的意義を読み解き、厳選されたギャラリーが出展するアートフェアで作品をコレクションすることを楽しむことを目的にしている。 　初回は、「時間」を軸に展開。展覧会では、古美術から近現代美術、デジタル・アートに至るまで、様々な作品が織りなす複合的な「時間の層」から、私たちの生を照らすラディカルな芸術のあり方を導き出す。いっぽうのアートフェアは、茶道の「花所望」という作法に由来する「時所望」をテーマに、古美術から近代、そして現代アートなど、国内の厳選されたギャラリーが作品を展示・販売する。 　なお、会場となる「kudan house」は、登録有形文化財である「旧山口萬吉邸」をリノベーションした会員制のビジネスイノベーション拠点。同イベントの売上の一部は、kudan houseの貴重な文化遺産を次世代へ受け継いでいくため、建物や環境の保全に使用される予定だという。 　一般公開されていない重厚かつ繊細な佇まいの歴史的空間で、新たなインスピレーションを得る特別な「時間」を過ごしてみてはいかがだろうか。