斎藤知事「告発文問題」がアクセルになったか『公益通報制度』に厳罰化の動き 通報者処分した事業者に「刑事罰」検討
■公益通報した人を解雇・懲戒処分した事業者に刑事罰課す動き
公益通報を巡って国が法改正の動きを見せている。 12月24日、消費者庁の有識者検討会が案を取りまとめた。 ・公益通報した人を解雇・懲戒処分した事業者に対し刑事罰を課すことを求める(現行法では罰則はない) ・通報者探しについて禁止規定の策定へ(こちらは罰則なし) 解雇・懲戒処分をした事業者に刑事罰を科すことで、抑止になるのだろうか。 亀井正貴弁護士:もともと2006年に公益通報制度は整理されたのですが、罰則は最初なかったんです。だから、私は企業の顧問とかやっていますけれども、私の頭の中では罰則がついてくると思っていなかったんです。 亀井正貴弁護士:例えば解雇を無効にして通報者を守るというような民事的な保護制度があったんですけれど、刑罰がくるとなると相当プレッシャーがかかると思います。 亀井正貴弁護士:基本的に消費者庁がやって、消費者の利益を守るためでもありますが、同時に労働問題でもあるんですね。労働者が通報したことに関して、事業者がそれを潰しにかかることを止めようとするんです。その意味では本来民事的に解決できたものが、もう規制できなくて、刑事罰に踏み込んだわけです。恐らく兵庫県の問題がアクセルを踏ませたんだと思いますけれども、これは私にとって驚きでした。 全国的にも公益通報した人が、解雇や懲戒処分をされるという事例は多いということだ。 亀井正貴弁護士:事例は増えているんです。だから規制を強くしなければならないという機運というのは確かにあったんです。だけど単に解雇を無効にする、懲戒処分を無効にするにとどまらず、ペナルティを刑罰にまで広げるというのは、それだけ規制の必要性は高まったのだと思います。 亀井正貴弁護士:今回の兵庫県の対応は、この規制の流れからすると完全に反することになります。 民事で解決できるような方法として、第三者機関のような組織を作り、客観的に結論を出すことを義務付ける制度があったら、刑事罰までいく手前で解決することはできないものなのだろうか。 亀井正貴弁護士:公益通報者を保護するという意味において、第三者機関の設置というのは有効です。でも民事的に懲戒を無効にするとか、解雇を無効にするというだけでは、裁判になるわけです。裁判になったら労働者も裁判に立ち向かわなければいけなくなって、かなり不利益をこうむるわけです。 亀井正貴弁護士:だから裁判にもさせず、刑事罰によって通報者潰しをさせないようにする必要性はあったということですね。第三者委員会の設置は、通報者を保護する一つの方法としてはもちろん重要だと思います。 (関西テレビ「newsランナー」 2024年12月25日放送)
関西テレビ
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