プライベートエクイティー会社が活用する借り入れ手段、監視の標的に
中銀はすでに、NAVローンは銀行にとってリスクが高いため、英国の金融安定を阻害しかねないと警告している。6月の金融安定レビューの中で、このような「レバレッジの上にレバレッジを重ねる」ことは「投資先企業レベル、ファンドレベル、そしてファンド最終投資家レベルのリスクに、銀行をさらす」可能性があると指摘している。
中銀が懸念しているのは、多くのPEファンドが高価格でポートフォリオ企業を買収していることだ。ファンドは現在、これらの企業を担保に借り入れているが、PEファンドの資産は不透明で評価しにくいことで有名だ。担保資産の価値が大幅に下落していても、銀行は手遅れになるまで気づかない可能性があることをPRAは懸念している。
リスク管理アドバイザリー会社チャタム・フィナンシャルのマネジングパートナー、ジャッキー・ボウイ氏は「人々が恐れているのは、レバレッジにレバレッジを重ねることだ」と述べ、負債を抱えたポートフォリオ企業という「価値が低下している資産を担保として、ファンドレベルでのレバレッジを重ねることになる。つまり、二重苦に陥る」と指摘した。
原題:Private Equity’s Favorite Borrowing Tool Sparks Fresh Scrutiny(抜粋)
--取材協力:Nicholas Comfort、William Shaw.
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Sridhar Natarajan, Silas Brown, Laura Noonan