精神科・心療内科の初診で聞かれることはご存じですか? 医師が解説
初めての受診を迷う人へ 精神科・心療内科の治療内容や診察の流れ、時間や費用など
編集部: 問診のあとは何をするのですか? 森田先生: 必要に応じて、血液検査や画像検査、心理テスト、MRI、脳波検査などを行います。それから問診ではどのような治療を希望するかも聞かせてもらいます。それに応じて薬を処方するなど、症状にあわせた治療を開始します。 編集部: 持参した方が良いものはありますか? 森田先生: 発達障害を疑うときには母子手帳や通信簿を確認させていただくことがあるので、もし、その傾向が見られる場合にはご持参いただくことをおすすめします。 また子ども時代のお話しも聞かしてもらいたいので、大学生くらいまでの方はお母さんと一緒に受診されると良いと思います。 編集部: 初診はどれくらい時間がかかるのですか? 森田先生: 医療機関にもよりますが、30~60分見ておくと良いでしょう。 編集部: 費用はどれくらいですか? 森田先生: 初診料は診察時間と主治医の経歴、患者の年齢によって保険点数が異なりますが、3割負担で3000~7000円と考えていただければと思います。ただし精神疾患の診断がつく場合には自立支援医療という制度を活用できます。 薬の処方にもこの制度が使えるので経済的な負担は大きく軽減されます。詳しくは各自治体でご相談ください。 編集部: 最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあれば。 森田先生: 精神科や心療内科の受診でもっとも大切なことは、「患者さんご本人に来てもらうこと」です。「身内に問題がある人がいるのだけど、どうしても病院を受診するのを嫌がる」というケースはとても多く、ご家族だけ受診されることも少なくありません。 しかしご家族だけだと正しい診断ができませんし、処方もできません。通院が困難な人に対して往診を行っている医療機関もありますが、往診では検査ができないため、初診はどうしても受診が必要なのです。 もしご本人が受診を嫌がる場合には、まずご家族が受診されて、「こんな先生だったよ」「一緒に行ってみよう」と受診を促していただきたいと思います。 または地域の保健所や健康相談窓口などが自宅を訪問し、受診を勧めることもあるので、そのようなところに相談してみるのも良いかもしれません。 いずれにしても、まずは一度受診をしていただくことが大切。「家族がどうしても受診を嫌がる」という場合、ぜひ医師にご相談ください。