精神科・心療内科の初診で聞かれることはご存じですか? 医師が解説
精神科・心療内科の初診では何をするの? カウンセリングでは何を話せばいい? 診察中に泣いてしまっても大丈夫?
編集部: 初診では何をするのですか? 森田先生: 初診では問診が中心です。患者さんのお話をしっかり聞き、症状を正確に把握します。 編集部: 具体的に、どんなことを聞かれるのですか? 森田先生: たとえば、現在何に困っているのかといったお話から、どのような症状があるのか、その症状はいつ頃から出始めたのか、どんなときに症状が出るのかなど、症状について詳しくお聞きします。 また、仕事のことや現在の生活環境、これまでの経歴などについてもお聞きします。 編集部: いろいろなことを尋ねられるのですね。 森田先生: はい、そのほかにも嗜好品やアレルギー、性格、家族歴などについてもお聞きします。家族歴では、精神疾患のある人や飲酒癖のある人、ギャンブル好きの人、自殺をした人などが身内にいないかをお尋ねすることが多いですね。 編集部: 話すのが苦手という人は? 森田先生: 多くの場合、クリニックでは問診票にご記入いただきますから、そこに症状や困っていることなどを書けば大丈夫です。また、悩みを事前にメモにまとめて持参するのも役立つはずです。 それから上手に話そうとする必要はありませんし、初診で全部伝えようとしなくても大丈夫です。2回目や3回目の診察で補足していただければ十分なので、あまり構えずに話してみてください。 編集部: 緊張する必要はないのですね。 森田先生: 基本的に精神科のスタッフはコミュニケーション障害の方に会うことが多いので、お話しするのが苦手という方と接するのは慣れています。ぜひ安心して受診してください。 編集部: 話しているうちに泣きそうですが、大丈夫でしょうか? 森田先生: もちろん大丈夫です。医師はそうした患者さんのお話を聞くプロですから、安心して話してください。話したくないこともあるかもしれませんし、話しているうちに苦しくなる人もいるかもしれませんが、そのときは無理に話さなくても良いでしょう。