有村架純が誰かから傷つけられた時に考えること、すること
事故で恋人を失ったヒロイン、その恋人の心臓を移植された男――。数奇な運命に翻弄されるふたりの、“さよなら”から始まるドラマ「さよならのつづき」。岡田惠和さんが脚本を書き、有村架純さん、坂口健太郎さんが「連続ドラマW そして、生きる」に続いてタッグを組んだ、切なくも美しい愛の物語だ。 インタビュー前編で「とても心地いい現場でした」と笑顔で振り返っていた有村さんに、後編では自身が傷ついた時の対処法、そして俳優を続けている理由について聞く。
口元で喋らず、お腹から声を出すように心がけた
最愛の人の心臓が別の人の体に移植され、その人の中には明らかに亡き恋人の意識が存在しているーー。心の揺れを演じるのが難しい役柄だったはずだが、有村さんはさえ子を、どのような女性だと捉えて演じたのか。 「彼女は、自分の感情に素直に従って生きてきた女性だと思うんです。そして、いろいろな人の心を動かす説得力も持ち合わせている。自由なんだけどワガママには生きていない、ちゃんと筋を通しながらいろいろなことを進めてきた人。 だからこそ自分に自信もあるし、皆が『さえ子!』と寄ってきてくれる。すごく理想的な、人望がある女性だと思います。 20代で、きっとたくさんの失敗を繰り返して勉強しながら、いろいろな選択肢や回避術を自分なりに増やしていって、それを経て今のさえ子という人物像ができたんだろうなと解釈しました。“地に足が着いている”を通り越して、“地に足がめりこんでいる”くらい自分の足で立っている女性と言いますか(笑)。 セリフを言う際も『そういう女性はどんなふうに発声するのかな』と考えて、あまり口元で喋らず、お腹から声を出すように心がけました」 コーヒーが癒しのひとときを彩るアイテムとして使われている本作。有村さんの実生活での癒しは「香り」と「友人に会うこと」だという。 「よく部屋でキャンドルやお香を焚いたり、ルームスプレーをかけたりするんですが、好きな香りをかぐとキュッとなっていた脳みそがふわ~っと柔らかくほぐれて、私にとってはそれが癒しなんだな~と日々感じています。香りは、あまりツンとしない、ウッディーなものが好きですね」