有村架純が誰かから傷つけられた時に考えること、すること
人のせいにする前に、まずは自分
このドラマに登場する人物は、誰も悪くなく、誰も間違ったことをしていない。にもかかわらず、どうしようもなく人を傷つけたり、傷ついたりといったことが起こる。私たちの日常でもありうることだが、そんなとき有村さんはどう対処しているのか。 「誰かから傷つけられたり、イヤな気持ちになったりすることはもちろん私にもあります。そんなときは一旦『こういう状況にはなったけど、ポジティブにとらえるとどうなるかな?』と考えてみるんです。で、自分が『あ、でもこういうのもあるか!』と切り替えられる時もあれば、『どうすれば今の状況が変わっていくだろうか?』とさらに考え込むことになる場合もあります。 あと、『もしかして自分にも原因があったんじゃないか』とも考えますね。それで何らかの気づきがあった場合、まずはそれをどうにかできるよう頑張ります。 傷つけられた時に限らず、他者や対象になる人を動かしたいと思ったら、まず自分自身が説得力を持つ必要がありますよね。何もしないのに『なんでこうなったんですか!?』と言っていても誰も聞いてはくれませんから。 自分がその訴えをするまで踏んできたプロセスをしっかり背負ったうえで、『私はこれくらい考えました』『これもあります、あれもあります! さあ、どうですか?』とプレゼンできるくらいでないと人は動かせない。なので人のせいにする前に、まずは自分だと思っています」
「ごめんなさい、いま弥生が出てきちゃいました」
本作の劇中に、かなりの勢いで走ってきたさえ子が電柱に激突するというシーンがある。あまりの躊躇のなさに、有村架純の役者魂を見せつけられた気がした。 「ありがとうございます。あのシーンはアクション部の人に『なりふり構わずボーンといっちゃってください!』と言われて、『クッションもあるし、まあいいか!』と思いっきり突っ込んでいきました。怖がって中途半端にやっちゃったら変なことになりますから。でも痛いとかはなかったです(笑)」 与えられた役柄に、その都度全身全霊で打ち込む。今回の取材が行われたのは9月で、当時彼女は月9の『海のはじまり』で愛する人との別れを選ぶ女性を演じていた。その役柄の魂が抜けぬまま留まっているであろうことは、さえ子の心情について訊いた際「……ごめんなさい、いま弥生が出てきちゃいました」と口ごもる瞬間があったことからもうかがい知れた。