「忘れないでくれよ」メッツ指揮官が見せた“警戒感”と自信 千賀滉大「ここでしゃべる人はいない」
大谷翔平をどう抑えるか。ドジャースとのナ・リーグ優勝決定シリーズを翌日に控えた10月12日(日本時間13日)、敵地ロサンゼルスへの移動を前に本拠地シティ・フィールドで調整したメッツは、カルロス・メンドーサ監督と初戦先発の千賀滉大が公式会見に臨んだ。会見の模様をニューヨークの地元局『SNY』が公式YouTubeチャンネルで伝えている。 【動画】三塁の塁審にボールが当たる不運!大谷翔平がまさかの本塁憤死のシーン 「基本的にどのバッターも長打を打てるバッター。誰とかではなく一人一人全力でいきたいなと思います」 ドジャース打線に対しての印象を問われた千賀は、打線全体への警戒を口にした。その上で大谷へのアプローチを改めて聞かれると苦笑いしながらこう答えた。 「ここでしゃべる人はどのピッチャーもいないと思います」 大谷、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンのMVPトリオを抱える重量打線だが、やはり質問は今季前人未到の「54本塁打&59盗塁」を達成し、打点王との打撃2冠を達成した大谷についてに及んだ。それでも得意のお化けフォークのように笑顔で交わしてみせた。 メンドーサ監督にも大谷についての質問が飛んだ。指揮官は「ムーキーとフリーマンがその後ろにいるということを忘れないでくれよ」とため息交じりに切り出した。 「最高の打者が3人そろっている。その他にもテオスカー・ヘルナンデスやマックス・マンシー、ウィル・スミスもいる。とてもいい打線だ。実に分厚いラインアップで、いろんなことができる。右左も豊富で、攻撃において違いを生むことができる。長打力を秘め、ボールを見極めることもできる。ただ正直に言うが、我々も準備はできている」 大谷一人に構ってばかりはいられない。そう言いたげに前を向いた。地元ニューヨークの番記者たちの前で、質問したのも全て米国メディア。日本のテレビ局も交じるロサンゼルスのメディアではなかったが、それでも飛んだ大谷についての質問をいなすかのようだった。 今季の両軍の対戦は4月19~21日と、5月28(ダブルヘッダー)、29日の6試合で、ドジャースの4勝2敗。そこを最後に約5か月対戦がない。 「あの頃は我々は苦しんでいた。当時とはメンバーの顔ぶれも変わっているしね」とメンドーサ監督は強調した。メッツは6月3日時点で借金が11まで膨らんでいたが、そこからは驚異の勝率を残し勝ち抜いてきた。当時とはチームの勢いも実力も段違いだと胸を張った。 地区シリーズと異なり、リーグ優勝決定シリーズは7回戦制の長丁場となる。車で約2時間の距離のサンディエゴへのショートトリップと違い、第2戦後と第5戦後には約6時間に及ぶニューヨーク-ロサンゼルス間のロングフライトも挟まる。 戦いの行方はどうなるのか。少なくとも開戦前夜、メッツの目は大谷だけではなく、ドジャース全体へと向けられていた。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]