伊藤あおい、快進撃がストップし決勝進出ならずも自己最高ランクへ。グランドスラムで「勝って賞金欲しい」[木下グループJO]【テニス】
伊藤あおい、予選からの大活躍も決勝進出に一歩及ばず
女子ツアー「木下グループジャパン・オープン」(大阪・モリタテニスセンターうつぼ/WTA250)シングルス準決勝が10月20日に行われ、予選から勝ち上がっている伊藤あおい(SBCメディカルグループ/世界ランク188位)は、予選から勝ち上がってきたキンバリー・ビレル(オーストラリア/同150位)を4-6、3-6のストレート敗れ、初めてのツアー大会で決勝進出とはならなかった。 【動画】変幻自在のプレーで魅了した伊藤あおいは準決勝で敗れる マッチハイライト 前週開催された全日本選手権でベスト4に入り、中1日で今大会の予選に出場した20歳の伊藤。予選1回戦でエミナ・ベクタス(アメリカ/同141位)、予選決勝でアリアン・ハルトノ(オランダ/同151位)を下して、自身初めてのツアー本戦入りを果たした。 本戦でも1回戦で2020年全豪オープン優勝の実績があるソフィア・ケニン(アメリカ/同158位)を破ると、2回戦で第8シードのエリザベッタ・コッチャレット(イタリア/同50位)、準々決勝でエバ・リーズ(ドイツ/同118位)を撃破。自身の快進撃を「ほぼ奇跡」と話すが、フォアハンドのスライスやループボール、バックハンドのライジングなどを駆使して揺さぶるプレーは確かなものだった。 準決勝では、準々決勝で齋藤咲良(富士薬品/同179位)との打ち合いを制したビレルと対戦。パワフルなストロークを武器にしている相手をあざ笑うかのように、伊藤は独自のテニスでリズムを狂わせ、開始から3ゲームを連取する。 だが、ビレルはミスでポイントを失っても、精神的に崩れない。この日は度々強風が吹き、「私は風下の時にものすごい弱さを発揮する。頑張って浅いスライスとか想像以上に入らなかった」と伊藤のプレーも乱れて、ビレルが一気に5ゲームを連取。伊藤は4-6でセットを失った。 第2セットでも先にリードを奪ったのは伊藤。だが、ビレルが調子を落とす時間帯は短い。我慢強くプレーし始めて主導権を取り返すと、伊藤から計3度のブレークに成功しツアー初の決勝へ進んだ。 惜しくも敗れた伊藤は、ツアー本戦初出場での決勝進出とはならなかったが、一線を画したプレースタイルでファンを魅了。退場時にはサインを求める多くのファンに対応し、笑顔でコートを後にした。 「風があったり難しい試合だったんですけど、自分なりに割と考えてゲームを取れたほう」と試合を振り返った伊藤。この日の試合が今大会6試合目となり、「やっぱりレベルの高い人たちと試合を続けるのは大変だなと思った。でも私でも6試合できるんだという自信にもつながった」と手応えも口にした。今後は「内容は別として試合数だけはできる自信がある」と、昨年優勝した優勝賞金1000万円の「SBCドリームテニスツアー ファイナル」(東京・有明/12月21~22日)や日本の国際大会にも出場していくとしている。 プロになった理由を“賞金”だと語っていた伊藤。今大会の好成績でランキングも150位前後まで上昇し、グランドスラム予選出場をほぼ手中に。「ちょっとでも勝って、賞金が欲しい」と挑戦していく意思を見せた。
Tennis Classic 編集部