ダイオウイカの相次ぐ捕獲は不吉な前兆?
温かい海の魚を追って来た?
こうした相次ぐダイオウイカの水揚げと地殻変動とを結び付けるには無理があるにしても、海洋異変との関係は簡単には否定できないようだ。 最近カナダ・ブリティッシュコロンビア大学フィッシャーズ・センターのウィリアム・チェン(William Cheung)助教授らのグループは、日本近海など世界の主要な52の漁場域で過去40年間に捕獲された990魚種の漁獲と、魚が好む海水温との関係を調べた。 その結果、主要漁場のほとんどで温かい海を好む魚の漁獲比率が高まる一方、冷たい海を好む魚の漁獲量が減っていることが分かった。これは、これまで熱帯域に生息していた魚が、より高緯度域の海でも捕獲されるようになっていることを意味し、その反面、熱帯域では捕獲される魚種や量が減る傾向にある。それらには、地球温暖化による海水温の上昇が要因と考えられるという。 海洋の生物は“食物連鎖”によって、互いに関連し合っている。ダイオウイカも、エサを追って日本海に入り込んだのか、天敵のマッコウクジラに追われてやって来たのかは、分からない。やはり何かが、海で起きているのかもしれない。 (文責/企画NONO)