【日本の選挙運動は古すぎる!】支持を得たネットとリアルの融合、世界でも“特異”な日本、個別訪問もそろそろ解禁を
認めるべき戸別訪問
小集会や戸別訪問は一方的な演説でなく候補者本人と有権者の双方向だから有権者にとっても候補者の人柄や重点政策を知るよい機会となる。候補者にとっても市民の声を直接聞き取るよい機会となる。現在の選挙制度は戸別訪問を禁止しているが、一定の制限をつけて解禁すべきではないか。 公明党は伝統的に、地域の公明党支持者が自宅の近所を立候補予定者と一緒に回って有権者に紹介することをやっていた。公明党の自治体議員はたいてい大学ノートを持っていて、そこに有権者の意見や要望が具体的に書かれていた。今でもそういうことは行われていると思うが、政策は国会の建物内部における議論だけでなく、そういう現場の声からも形成されるものであってほしい。 筆者が英国訪問中に何度か選挙を見る機会もあった、英国の選挙では戸別訪問が合法であり、むしろ戸別訪問が選挙運動の中心だと聞いた。選挙カーが走り回るようなことはなく、ポスター貼りもない。 候補者は夜間、有権者の家を訪問して投票を依頼し、有権者はそれが意見を伝える機会となる。日本は英国の小選挙区制度を導入したが戸別訪問は合法化しなかった。そろそろ見直すべきではないか。
政見放送やネット規制、変えるべきことは多い
選挙期間中、テレビやラジオをつけると、自分が投票権を持っていない地域の候補者のスピーチを延々と聞かされることがある。他の選挙区の候補者の話を聞くことがまったく無駄とは言わないが、これが公費によって賄われていることを考えると、工夫が必要ではないか。 現在の政見放送は選挙区別ではなく都道府県ごとの政党別だが、これは政党側の都合に基づく編集にすぎない。有権者の立場からは、党派を問わず自分の選挙区で立候補している人全員のスピーチを順に聞いた方が投票の参考になる。有権者本位の政見放送に変えるべきだ。 現代ではほとんどの国民がスマホを持っているから、自分の選挙区の候補者たちのスピーチをスマホで聞くことかできるようにすれば、それで足りるとも言える。 インターネット利用の禁止規定にも変えるべきことがある。現在の規制ではLINE(ライン)やフェイスブック、ユーチューブなどによって有権者は自由に投票を呼びかけることはできる。だからネットとリアルの相乗効果を目的とした選挙運動が一定の効果を上げている。 しかしメールによる選挙運動は禁止されている。理由は、誹謗中傷の恐れがあるからである。しかしこの点は上記SNS等でも同様である。制限を外してよいのではないか。 同時に、SNS等による誹謗中傷対策を充実したほうがいい。これは選挙に限らず日本の社会にとって大切なことである。