「BMWより魅力的」米誌が絶賛! 日産フェアレディZ RZ34 が秘める驚愕の走り
米自動車メディア『Road&Track』恒例の「パフォーマンスカー・オブ・ザ・イヤー」の試乗会。実際に試乗し、今年1年のベストカーを選出する人気企画だ。その際に発見した、ある日本車の魅力にまつわる記事を翻訳してお届けする。 【写真と動画で見る】NISSAN フェアレディZの真の実力 私たち(アメリカ『Road&Track編集部』)はすでに、1日のロードテストと2日間のサーキットテストを終えていた。日産「フェアレディZ RZ34」のダークグレーの控えめな外観は、一見して目を奪うような存在感はない。同じ年のポルシェ911が鮮やかな色調で登場したのとは対照的だ。
当初、私たちはこの車がパフォーマンスカー・オブ・ザ・イヤーの候補として相応しいのか、疑問を抱いていた。高価格の割にパワーは控えめで、マニュアルトランスミッションも搭載していない。夕暮れ時のグループ撮影の際も、そんな懸念が囁かれていた。 3.0リッターV型6気筒ツインターボエンジンは420ps/6400rpm、トルクは384lb-ft/2000rpmという堂々たる数値を誇るものの、エンジン音からはその実力を感じ取りにくい。 しかし、実際に運転してみると、その印象は一変する。 ステアリングホイールは、サイズも重量感も申し分ない。バケットシートの形状や、ペダルレイアウトも理想的だ。車体サイズも絶妙で、マスタングのような過剰な存在感もなく、かといって小粒過ぎることもない。 サーキットを1周も走らないうちに、私(ラファエル・オーロヴ記者)はこのZの本質を垣間見ることができた。2速、3速での走りは見事なバランスを見せ、悪意のない素直な挙動を示す。リアタイヤを限界まで使い切りたければ、それも自由自在だ。
テストに参加した全ての車両が優れた性能を持っていたが、私にとってはBMWよりもこのZの方が魅力的に映った。さらなる可能性を探りたくなる、そんな衝動に駆られたのだ。 3704ポンド(約1720kg)という車重は、決して軽量級とは言えないものの、実際の走りではその重さを感じさせない。興味深いことに、BMW M2やランボルギーニ ウラカン・ステラートとほぼ同等で、ポルシェ911Tより数百ポンド重い程度だ。 走り込むにつれて、この車の真価が明らかになっていった。 エンジンは、ブーストが強くかかっても滑らかにパワーを伝達する。長いボンネットの後方に位置するドライバーズシートだが、バランスは見事なまでに整っている。気がつけば、私と車は完全に一体となり、タイヤが摩耗するまで走り続けたい衝動に駆られていた。 まるで低空飛行する航空機のように、ブーストの力を存分に活かしながら力強く加速していく。他の車種が過剰に思えるほどだ。そんな懸念をよそに、私はこの車の魅力にますます引き込まれていった。 (※モデル名の記載に誤りがあった為、加筆・修正いたしました)