猪口議員宅で火災 “燃え広がる条件”重なったか 過去に取材…室内の様子は?
午後10時前には一度、火の手は収まったかのように見えましたが、再び激しく炎があがりました。 ──一度、火が強くなった瞬間があったが、何か理由は? 元小田原市消防本部・火災調査官 永山政広氏 「消火活動するにしても一方向からしかできていないと思う。なかなか放水が届く範囲は限られている。安定して水をかけるということが難しい現場だったと思う」 現場マンションの周りは住宅が密集しているため、階段からなど一方からの放水となり、十分に水が届かない場所もあった可能性があるといいます。
次に要因としてあげたのは家の構造です。火事のあった6階は猪口議員の住居しかない構造で… 元小田原市消防本部・火災調査官 永山政広氏 「普通のマンションだと1つの住戸ごとに区切られていて、その(住戸ごとの)区切りの壁が燃えにくい構造でできている。今回の場合は6階部分が、全体が1つの区画。延焼を防止する区画が設けられてなかったのでは」 そして、もうひとつ考えられるのは発見の遅れだといいます。 元小田原市消防本部・火災調査官 永山政広氏 「予想しないことが起きると気が動転して(当事者が)なかなか正確に通報できないこともある。(今回)近所の人が気がついて通報するということで(火が)拡大してからでないとなかなか気がつきにくい。どうしても(通報が)遅れがちになる。通報が遅れれば消防の出動も遅れますから、初期の状態に火災を抑えることが難しくなる」 こうした複数の条件が重なり、短時間で一気に燃え広がった可能性があるということです。
2007年、日本テレビは猪口議員の自宅を取材していました。当時の映像では… ──朝は夫婦で顔あわせる? 猪口邦子議員 「必ず毎日」 夫・孝さん 「一番重要です」 猪口邦子議員 「朝ご飯も作るし」 ──結婚して何年? 猪口邦子議員 夫・孝さん 「30年ぐらい」 仲むつまじく暮らす夫婦の後ろには、多くの本が置かれていました。 猪口邦子議員 「じゃあ行ってきます」 玄関は扉ではなくエレベーター直結。 夫・孝さん 「じゃあね」 猪口邦子議員 「じゃあね、あなたも気をつけて」 もし出火当時の室内もこのような状況だった場合に考えられるのは… 元小田原市消防本部・火災調査官 永山政広氏 「いろいろな家具・書物がたくさんあったように見えましたので、そうするといったん火がつくとすごい勢いで燃えますので早い段階で部屋中が火の海になってしまう。エレベーターだけしか使わないということはない。いざという時のために階段に通じる通用口みたいなものがあったのではないかと推測される。そういうところは鍵がかかっているので、消防隊が入る時も破壊して入らないといけないので、消火するのに時間がかかってしまうということは考えられますね」 室内は燃えやすく、消防隊員が入りづらかった可能性があるということです。 28日、国会には猪口議員の姿はありませんでした 火は室内からあがった可能性が高いということですが、部屋の中にストーブは設置されておらず、油のようなものがまかれた明らかな形跡もなかったということで。警視庁は引き続き出火原因を調べています。 (11月28日放送『news zero』より)