採用時の最低時給は1167円。「東京」が唯一1300円超え、都市部と地方で格差が顕著に
人手不足や価格転嫁への対応、社会保障制度の改定などの対策が必要
本調査の結果、従業員を採用するときの最低時給の、全体平均は1167円となった。2024年改定後の最低賃金の全体平均1055円を112円上回った。最低賃金での募集では継続的な従業員の確保が難しいため、最低賃金を上回る金額に引き上げざるを得ない企業が多いと考えられる。業界間で格差が表れただけでなく、同じ業界内においても差異がみられた。 また、物価の違いなどにより、地域間での格差が顕著に表れ、2024年度の最低賃金時間額と採用時の最低時給との間に乖離が生じていることが確認できた。 物価上昇が続くなかで「従業員の給料を上げることで消費を促す必要がある」といった声がある一方で、「130万円の壁を超えないようにするため、労働時間を意図的に抑える従業員が増え、人手不足が加速する」という声も多数寄せられている。 政府は、最低賃金の引き上げを続けるだけではなく、人手不足や価格転嫁への対応、社会保障制度の改定など、企業の経営状況がひっ迫しないよう政策を打ち出していく必要があろう。 調査概要 調査対象企業:2万7093社 有効回答企業:1万1188社(回答率41.3%) 調査期間:2024年9月13日~9月30日 調査方法:インターネット調査