【ハイライト動画あり】風上の前半に5トライ。強みを先に出した慶大、東洋大の攻撃力を封じる。
近年右肩上がりで実力を伸ばしている東洋大にとっては、あらためて勝負の難しさを思い知る80分となった。 【ハイライト動画】東洋大学 vs. 慶應義塾大学
12月14日(土)に秩父宮ラグビー場でおこなわれた全国大学選手権3回戦の慶大(関東大学対抗戦A-4位)×東洋大(関東大学リーグ戦1部 2位)は、50-26と慶大が快勝した。 接戦という戦前の予想を覆すスコアとなった。
前半は35-7。風上に立った慶大が、自分たちの強みと気象条件をうまく使い、思い通りの展開に持ち込んだ。 先制点は前半5分。自分たちが自信を持つラインアウト、モールからHO中山大暉主将がインゴールに入った。
慶大はシーズン途中からSOに定着した和田健太郎が落ち着いてゲームを組み立てた。 和田は左足からのキックで着実にチームを前に出す。CTB今野椋平のキックも同様に効果的だった。
その今野はランプレーでも貢献した。チーム2つめのトライは前半20分。SO和田が緩急を使ってうまく間(ま)を作ったところに走り込み、インゴールに入った。 このトライシーン、1年生司令塔の巧みなプレーは、2度、3度くり返し見たい。
今野は22分にもラインアウトからのアタックを仕上げた。モールを組んだ後、SH小城大和のボールを持ち出すタイミングも素晴らしく、効果的に前進。ラストパスを放ったのは、ふたたびSO和田。ここも、相手のマークを一身に受けながら深いパスを通す絶妙さだった。
21-0とした慶大は、さらに前半のうちに2トライを追加して35-0とした。 39分に東洋大WTBモーリス・マークスに100メートルを走り切られて7点を返されるも、大量リード(35-7)を奪ってハーフタイムを迎えた。
前半最後のWTBマークスのトライからも分かるように、個々の能力は高く、後半に入って本来の力を発揮しだした東洋大だったが、慶大は後半も先に点を取ったことで完全に勝負を決めた。 自陣に入られての防御の局面でWTB石垣慎之介がインターセプトからトライを奪ったのが後半7分。40-7として東洋大を落胆させた。