田口貫太騎手、重賞初制覇に仏遠征「メンタル強くなった」今年は「挑」戦する1年/ホープ賞
日刊スポーツ新聞社制定、日本中央競馬会が協賛する24年「中央競馬騎手年間ホープ賞」に、関東は原優介騎手(24=青木)、関西は田口貫太騎手(21=大橋)が選出された。田口騎手は関東オークスで重賞初制覇、フランス遠征も経験した。 ◇ ◇ ◇ まるで乾いたスポンジを水につけたように、多くを吸収した。田口騎手にとってデビュー2年目の24年は充実の年だった。ルーキーイヤーの35勝を上回るJRA40勝を挙げ、6月には関東オークス(アンデスビエント)で重賞初制覇。夏には2カ月間のフランス武者修行を敢行し、普段のトレーニングにはピラティスなど新たなものをどんどん取り入れた。 「馬主さんをはじめ、多くの関係者の皆さまのおかげで、たくさんのいい馬に巡り会えました。感謝しています。ただ、取りこぼしたレースが多く、勝ち星には満足できていません。もっと勝たないと、と強く思っています」 壁を感じたのも貴重な経験だった。1年目は1回だったJRA・G1騎乗は5回に増えた。重賞は毎週のように計25回もまたがった。しかし、勝てなかった。 「騎手になる前は『G1を勝てる騎手になりたいです』とか『ダービーを勝ちたいです』と簡単に口にしていました。ただ、実際に大きな舞台で騎乗するようになり、軽々と発言すべきではなかったな…と。それくらいG1を勝つのは難しいと実感しています」 しかし、目指すのはトップだ。国内はもちろん、海外の大舞台にも“挑”戦し、リーディング上位へ。トップジョッキーに真っ向勝負を“挑”む1年にする。 「24年はフランスに行き、メンタルの部分で強くなったと思います。25年も海外に行きたいですし、たくさんの新たなことに挑戦し、結果を残したいです」 壁を乗り越え、また次のステージへ。今年はひと皮むけた騎手・田口貫太が見られるに違いない。 【藤本真育】 ◆田口貫太(たぐち・かんた)2003年(平成15)12月10日、岐阜県生まれ。栗東・大橋厩舎から23年3月にデビュー。JRA初騎乗は同4日阪神1Rクリノクリスタル2着。JRA初勝利は同26日阪神1Rレッツゴーローズ。JRA通算1384戦75勝。156・4センチ、44・6キロ。父は笠松競馬の元騎手で現調教師の田口輝彦師、母の広美さんも笠松競馬の元騎手。