【パートタイマーの退職金】パートで10年間頑張って働いてきましたが月末で退職することにしました。パートでも退職金はもらえるのでしょうか?
パートタイマーであっても、長年一生懸命に働いてきた職場を退職するときには、金銭的な慰労のひとつもあっていいのではないか、と考える人は多いのではないでしょうか。実は勤務先の制度次第では、パートタイマーも退職金をもらえる可能性があります。 そこで本記事では、パートの退職金の有無は何で決まるのかや金額の算定方法、正社員との格差に関する考え方をまとめました。
退職金がもらえるかどうかは社内の制度次第
パートタイマーが辞めるときに退職金をもらえるかどうかは、次の2点で決まります。 ・勤めている会社で退職金制度の有無 ・退職金制度がある場合はパートタイマーに退職金を支払うことが規定されているか 退職金は、時間外手当などと異なり、法的に支払いが強制されているものではなく、会社が定める福利厚生のひとつです。そのため、会社に退職金の制度がある場合に限って、会社は規定に従って計算した退職金を支払う義務を負います。 これは、退職するのが正社員でも同様です。会社に退職金制度がなければ、何十年勤続しても退職金はもらえません。 退職金制度の有無や内容は、会社の就業規則などで確認できます。今回のケースでは、勤務先に退職金制度があり、「パートタイマーは対象外」「20年以上勤続の場合に限る」などの規定がなければ、退職金を受け取れる可能性が高いでしょう。規定がなく、会社が退職金を支払わない場合は、労働基準法に抵触している可能性があります。
パートはいくらくらいの退職金をもらえる?
パートで10年勤めて辞める場合、どのくらいの退職金を受け取れるのでしょうか。退職金は一般的に、次のような方法で計算されます。 ・別テーブル方式:給与とは別体系で退職金を算定する方式 ・定額方式:在籍年数に応じて定額の退職金額をあらかじめ定めておく方法 ・ポイント制方式:年齢や資格、人事考課などをポイントに換算して、累積ポイントに1ポイント当たりの単価を乗じて支給額を決める方法 いずれも給与とは切り離して退職金額を決める方式のため、パートタイマーだからといって退職金額が少ないとは限らないのがポイントですが、「パートタイマー+10年勤続」という情報だけで金額を推し量るのは困難です。 なお、勤務先が中小企業の場合は、中小企業退職金共済の制度に加入して、掛金制で退職金の原資を積み立てている可能性があります。 例えば、中小企業退職金共済の制度に加入して、短時間労働者の特例掛金月額である2000円を10年間積み立てた場合、約25万3000円を退職金として受け取れる計算です(中小企業退職金共済事業本部「退職金のシミュレーション」による試算)。