【パートタイマーの退職金】パートで10年間頑張って働いてきましたが月末で退職することにしました。パートでも退職金はもらえるのでしょうか?
正社員と同等の業務や責任を負っていた場合は退職金の格差が違法になる可能性がある
パートタイムの身分であっても、正社員と同等の業務や責任を負って働いていた場合、正社員との間に退職金の支給の有無や金額に格差があると、違法である可能性があります。なぜなら、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の「同一労働同一賃金」の原則に反すると考えられるためです。 正確には、「同一労働同一賃金ガイドライン」に退職金に関する明確な規定はありません。しかし、賞与や各種手当に関しては雇用形態のみによって差異を設けるのは不合理な待遇に当たるとしていることから、退職金についても同様に考えてよいでしょう。 ただし、一見同等の業務に見えても、正社員のほうが多くの裁量を与えられていて責任が重い、異動の有無などの勤務条件が違うといったケースが多いのが実情です。このような差異がある場合は、退職金の有無に格差があっても不合理な格差とまではいえないというのが近年の裁判所の判断です(大阪医科薬科大学事件、メトロコマース事件)。
パートの退職金の有無は勤務先のルールによって異なる
退職金の支給は、法律で義務付けられたものではありません。そのため、長年勤めたパートを辞めるときに退職金がもらえるかどうかは、勤務先にパートタイマーを対象とする退職金制度があるかどうかで異なります。 制度の有無やパートも対象かどうか、金額はどのように算定するのか、なぜ正社員との待遇差があるのかなど、不明な点がある場合は、勤務先に確認してみるとよいでしょう。 出典 厚生労働省 鹿児島労働局 よくある質問 Q6 パートタイマーとして20年勤務し、先日退職しましたが、退職金の請求はできるでしょうか。 独立行政法人中小企業基盤整備機構 J-Net21 退職金の一般的な計算方法を教えてください。 独立行政法人勤労者退職金共済機構中小企業退職金共済事業本部 Q&A(よくあるご質問) 2. 加入について 厚生労働省 同一労働同一賃金特集ページ 厚生労働省 同一労働同一賃金ガイドライン 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部