ダイエットの成功は「自己肯定感」が鍵。SNSで話題のかのまんさんが語る、メンタルコントロールの秘訣。
明るいテンションとユニークな語り口で、つらいダイエットを楽しく支えてくれるかのまんさん。X(旧Twitter)では現在、10万フォロワー越え。2021年1月に出版された『人生が変わる! かのまん整形級ダイエット』(永岡書店)から約3年半。現在もダイエッターたちの頼れる存在として、活躍を続けています。 【マンガ】『自分を褒めまくることがダイエットへの近道でした』を読む ■自分が弱いから食べてしまうのではなく、”脳内豚”が食べたがるせい ――今年10月に新刊コミックエッセイ『自分を褒めまくることがダイエットへの近道でした』(原案 かのまん/漫画 あきばさやか)が発売されました。かのまんさんは以前から「ついつい食べてしまうのは脳の中に悪の権化・脳内豚が棲んでいるに違いない」とおっしゃられていましたが、今でもその「脳内豚」が健在で、驚くような、安心するような(笑)。 かのまんさん 私の中の空想の生き物「脳内豚」は相変わらず居座っています! ダイエット中はどうしても「自分VS自分」になりがちですが、やらかした時に責める矢印が全部自分に向くと自己嫌悪や自暴自棄になりがち…。そんな時全てを脳内豚のせいにして時に許し、時に戦いながら日々を生きる事は自分の心を守る事にも繋がります。 ――脳内豚を暴走させるのは、ストレスや自尊心の低さ。そのしくみが、かのまんさんの歩みがさらに詳しく描かれている新刊からも伝わってきました。 かのまんさん ダイエットは誰かにほめられたいからやるものではなく、自分を認められるようになるためにやるもの、と考えることがとても大切です。それを支えるのが、自己肯定感です。それはパーソナルトレーナーである、京角省吾さんに教えてもらった重要な考え方です。太ったことで卑屈になっていたとき、ちょっとしたことほめてくれるのが、すごく嬉しくて満たされた。その気持ちと、自分の褒め方。ダイエットにおける、最初の1歩を学びました。ほめることを、を繰り返していく。そうして努力・達成感・自信の3セットを徐々に上げていくと、ダイエットは続けやすい。筋肉と自己肯定感は、育てられるということを、日々実感しています。 ――自己肯定感が上がると自分を大切にする気持ちが出てきて、体にいいことをするようになる。そういったいい循環が生まれる過程が描かれていて、とても励まされました。自己肯定感の低さも敵ですが、ダイエットの足を引っ張ってくる敵もいるようですね。 かのまんさん 「プークス勢」(プークス=嘲笑を表す言葉)ですね。太っている事を指摘してきたり「やせたら?」と言ってくるくせに、いざダイエットを始めるとバカにしてくるとか。頑張っている事や今の体型を笑ったり、足を引っ張るような事をする人が身近にいるとダイエットは難航しますよね。 自己肯定感が低いと、「太っているとひどい扱いをされても仕方ない……」なんて思考回路になりがち。傷つかないように先回りして自ら自虐ネタで笑いを取ろうとしたりしてしまう事もあると思います。 でも本当は、自分の尊厳を台無しにするようなことを言われたら、どんな時でも怒っていい。心の健康には、感情を抑え込まないことって大切。我慢ばかりしていると、ストレスで食べてしまう。だから自分の気持ちを伝えて、嫌な事は嫌と言ったり悲しみや怒り等のネガティブな感情も吐き出すのが大切です。 プークスしてくる相手を変えるのは難しいことですが、まずは自らが変わるために小さな一歩を積み重ねて、最初は自分の事を愛せなくても『自分の行動』を愛せるように少しずつ努力をしていきましょう。 自分に対して自分がひどい言葉をかけてしまうのもストップ。自分を大切にするという意識を持ってダイエットをしていく事がマインドも変えて自己肯定感を育む手掛かりになります。 ――自分を褒めるのが苦手なひとはどうすれば? かのまんさん ”普通”のハードルを下げることです。 誰でも何もしたくない日があって、当たり前。なのにTV見ながらスクワット10回だけ……できた! すごい! 次の日は30回。やだ、天才⁉ 誘惑だらけのコンビニに行ったのに、買ったものはプロテインドリンクとサラダチキンだけ。夜、チョコパイ食べるの我慢した。紙吹雪パアン!、すっご~いい! 国民栄誉賞受賞~!!みたいな(笑)。 ダイエットに必要なのは運動だと思っている方が多いようなんですが、私は「食事管理8割、筋トレ2割」だと指導されました。そして実践して実感したのは、その「食事管理+筋トレ」の要素は、「メンタル」の土台が支えていること。メンタルが整っていないと、いくら完璧なダイエットをしても、支えがザザザ~っと崩れ落ちていってしまう。だから産後のママたちなど、寝不足で心も疲れている人が無理やりやろうとしても、難しい。まずは少しでも自由時間がほしいなど、きちんとSOSを出してしっかり寝て、心を休めてからやるといいですね。たとえ途中でやめても、それもまた普通のこと。3日、3週間、3ヶ月……と挫折しそうなポイントは確かにありますけど、元気になったらまた始めればいい。その繰り返しでいいんです。 ――かのまんさんのダイエットは食事管理と運動という、超王道ですね マッチョたちがやっているような王道かつ確実な方法を、主婦でもできるように橋渡しをしていきたいと思っています。脳内豚の言いなりにならず、自分が主導権を握っていきましょう! エネルギー計算など面倒な部分は、便利な食事管理アプリなどをどんどん利用してください。それも、毎回100点を目指さないで、60点くらいでいいんです。使い続ければ、太らない食事のコツも身についてきます。 ――何度もダイエットに挫折した人。なかなかやる気が出ない人。逆にやりすぎて、生活に支障が出る人。かのまんさんの発信は、幅広い層のお守り的存在です。XやYOUTUBEで、いつでもかのまんさんに会えるのも、心強い。いつまでも、ダイエットの守護神としてご活躍ください! 取材・文=木下頼子