アジャコングが東京女子に感じる全女のノスタルジーと闘い続ける理由 理想は「生涯現役」のジャイアント馬場
――飛鳥さんがジャガーさんをいじっていましたね。 アジャ:当時は「青春時代を一緒に過ごす仲間たち」という感じだったんだな、と思います。東京女子にはそんな匂いを感じることがあって、みんなリングを降りれば仲よしだけど、リングに上がれば「この子には負けたくない」「この子より上に行きたい」って頑張っている。 でも、みんなが目指しているのは「東京女子プロレスをもっと大きくしたい」ということ。私たちが全女時代に、「女子プロレスがすげえんだっていうのを世に知らしめるぞ!」と思っていたのと、たぶん感覚は似ていると思います。若い子たちが試合後に「同期に負けた」って膝を抱えて泣いてたりとかも、「ああ、全女の頃にもいっぱいいたな」と思いながら懐かしく見てますね。 東京女子からしたら、全然そんなところは目指していないと思いますけどね。全女とは"対極"を目指しているんじゃないかと。でも、対極を目指すと、一周回って一緒になるんじゃないか、と私は思っています。 【東京女子で、自分を受け入れる雰囲気ができた瞬間】 ――アジャ選手は、東京女子のらく選手と仲良しで、すごくほっこりします。最初、らく選手のようなほんわかした感じは嫌いなんじゃないかと思っていましたが、試合ではらく選手の必殺技「おやすみエクスプレス」も一緒にやっていてホッとしました。 アジャ:らくちゃんと組むことになった時、SNSを見たら「らくちゃんとアジャ様が組むということは......まさかそれはないよな」って書かれたことがあって。「なんだろう?」と思っていたら、「まさか、おやすみエクスプレスはやらないよな」って。そもそも当時は、おやすみエクスプレスが何なのかわからなかったんですけど、それだけザワつくくらい、お客さんが何かを求めているんだろうなと思いましたね。 ――初めてらく選手を見た時、どんなことを思いましたか? アジャ:「うーん......可愛らしい子だね。ケガだけはしないようにね」という感じでした。試合で「あれ(おやすみエクスプレス)、やりますよ」って言われたけど、やり方がわからなくて。それで1回見で「ああ、確かに私はやらなそうな技だな......」と思ったけど、お客さんが期待しているのはわかりました。 それで実際にやったんですが、それで会場が「アジャコングが東京女子とここまでシンクロしてくれた」というウェルカムな雰囲気になったんです。だから、らくちゃんは東京女子に出ることにおいての恩人だと思っているんです。「継続して出ていい」という雰囲気にしてくれたのは、らくちゃんのお陰だと思っています。