COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不十分との批判も
Kate Abnett Valerie Volcovici Karin Strohecker [バクー 24日 ロイター] - 第29回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP29)は24日、発展途上国向けの気候変動対策の資金支援に関して、先進国が中心となり2035年までに年3000億ドルを拠出することで合意した。 現行の枠組みでは年1000億ドルを拠出額の目標としているが、これを増額する。35年までに官民の合計で対策資金として年間1兆3000億ドルを調達する目標も採択した。 途上国は拠出額が不十分と批判。インド代表団は「課題の重大さに見合ったものではない」などと反発した。一方、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のスティル事務局長は、合意は地球温暖化に対する人類の保険だと評価した。 財政が厳しい先進国と、暴風雨や洪水、干ばつなどに苦しむ途上国との間の溝もあらわになった。会議は22日が最終日だったが、協議が難航し延長。23日には不満を強めた一部途上国が退席、交渉が中断する一幕もあった。 資金を拠出するのは、1992年の国連気候変動協議で決定されたリストに基づく20カ国以上の先進国。欧州は、中国や湾岸諸国なども拠出に参加するよう要求している。今回の合意は途上国にも拠出を促しているが、義務化は見送った。