「振りが速い」相手DFも驚嘆するゴールで今季5点目。チーム得点王の堂安律が語る主軸の矜持「ボールをもらえれば何かしらできる自信はあった」【現地発コラム】
「ファーストタッチと次の振りと完璧にはまりました」
フライブルクでプレーする堂安律は、日本代表DF板倉滉が所属するボルシアMGとのブンデスリーガ12節で、今季5点目をマークした。チームトップでリーグの得点ランキングでも10位タイに入る成績だ。フライブルクを5試合ぶりの勝利に導く活躍で、専門誌キッカーの今節ベストイレブンにも選出されている。 【動画】板倉の眼前で決めた堂安律の鮮烈ゴラッソ 日本代表MFがスタジアムを沸かしたのが49分だ。前半を1-0で折り返したフライブルクをさらに勢いに乗せ、ボルシアMGの出鼻をくじく効果抜群の時間帯でのゴールとなった。 得点シーンを振り返ってみよう。自陣からのロングボールをオーストリア代表FWミヒャエル・グレゴリチュがダイレクトで前線につなげたボールを前を向いて受けると、下がりながら守る相手DFに対して、細かいステップでボールを運び、後ろから走りこんできたFWルーカス・ヘーラーへ好タイミングでパスを供給する。 パスを出した後に足を止めないのが堂安の良さだ。ヘーラーのシュートは相手DFにブロックされたものの、こぼれ球を拾うと、素早い動きで左にボールをずらしてすぐにシュートへと持ち込んだ。その素早さに相手DFは足を出すこともできない。シュートは見事にゴール右へと吸い込まれていった。 「あのシーンからファーに打つには、(ボールに)タッチしてから速く(足を)振らないとブロックされるんで。縦に行くと決めたときから早く振ろうと。ファーストタッチと次の振りと完璧にはまりましたし。感覚的に良かったですね」 試合後のミックスゾーンで、堂安はゴールシーンをこのように振り返った。ボールを拾ってからシュートに移るまでの時間はわずか1秒強。瞬時に最適な判断とそれを実現するスキルレベルの高さを魅せてくれた。 対戦した板倉も、「(DF)外してからの振りまでが速かった。ちょっと外してのシュートであのコースに打たれるというところは律のクオリティ」と称賛を惜しまなかった。 前半からすべてがうまくいっていた試合ではない。リードで折り返したもののチームとしてのチャンスは数えるほどで、攻めあぐねていた試合展開といえる。
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