「老後2000万円」では足りないというのは本当ですか。 老後資金はどのように準備したらよいですか。
少し前に、「老後2000万円問題」が話題となりました。特に最近では、円安や物価高の影響を受けて、「老後に必要なお金はいくらくらいなのか」と不安に感じている方もいるかもしれません。今回は、自分に必要な老後資金の計算方法や、物価上昇と老後資金の関係について、詳しく紹介します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
老後に必要なお金の計算方法
2019年に金融庁が発表した資料に「老後資金として2000万円の貯蓄が必要」という内容が掲載されました。これが、「老後2000万円問題」です。しかし、実際に老後に必要となるお金は、人によって大きく異なります。 例えば、老後は現役時代よりも倹約し、無駄なお金を使わないように生活すれば、2000万円貯蓄がなくてもよいケースもあります。一方で、「老後は旅行に出掛けたい」「趣味を楽しみたい」などお金を使う予定がある方や、「食事や住居など日ごろの生活水準を落としたくない」と考えている方は、2000万円では足りなくなる可能性があります。 ここでは、具体的に必要となる老後資金の計算方法を確認していきましょう。計算に必要となる数字は、「老後の毎月の支出額」と「もらえる毎月の年金額」です。 <老後に倹約生活を送る場合> 毎月の支出額:22万円 もらえる年金額:20万円 →必要な貯蓄額:720万円 この場合、老後は毎月2万円の赤字となります。月2万円を切り崩す場合、30年間で720万円(2万円×12ヶ月×30年)の貯蓄が必要です。 <老後に趣味や旅行を楽しみたい場合> 毎月の支出額 :40万円 もらえる年金額:20万円 →必要な貯蓄額:7200万円 この場合、老後は毎月20万円の赤字となるため、貯蓄を大きく切り崩す必要があります。月20万円を切り崩す場合、30年間で7200万円(20万円×12ヶ月×30年)の貯蓄が必要です。 倹約生活を送る場合と、経済的に豊かな老後を送る場合とで比較すると、必要なお金が大きく違うことが分かります。 老後に2000万円の貯蓄をするというのは、ひとつの参考金額です。必要となるお金は人によって大きく異なるので、自分たちが老後にどのような生活を送りたいのか、また、必要となるお金はいくらなのか、事前に確認しておくことが大切です。