ポジティブな言葉では不安が消せないのはなぜ?『スマホ脳』の著者が教える、脳と不安の深い関係
◆脳内の火災報知器 扁桃体にはいくつも役割がありますが、その1つが「脳の警報センター」としての役割です。扁桃体はその役割を愚直に果たしていて、ちょっとした危険にも大々的に警報を鳴らします。 念のために鳴らすこともあるので、実際には何事もない場合もあります。それでも、肝心な時に鳴らし損なうよりは鳴らし過ぎた方が良いという仕組みになっているのです。 要は火災報知器のようなものです。トーストがちょっとこげたくらいでいちいち鳴るのは厄介ですが、夜中に本当に火事が起きた時に鳴ってくれればいいのです。私たちの脳もまさにそんなふうに反応します。 「本当に危険な時に鳴らし損ねるよりは、念のため間違って鳴らすくらいかまわない」と考えているのです。脳の1番大切な仕事はあなたを生きのびさせることなのですから。 ※本稿は、『メンタル脳』(新潮社)の一部を再編集したものです
アンデシュ・ハンセン