ECBは成長予測下方修正か、消費低迷が10月も利下げの可能性高める
欧州南部の状況は相対的に良好なものの、イタリアやスペインの消費者は生活費高騰の中で支出を後退させている。
消費は今年の域内総生産(GDP)成長率0.9%というECBの予想の実現を阻む弱点のように見える。ECBの最新消費者月次世論調査によると、名目消費予想はロシアがウクライナに侵攻した2022年2月以来の低水準にある。
ECB政策委員会は7月の会合でこの問題について議論。議事要旨には、24年初頭に見られた貯蓄の大幅増は「予測に盛り込まれた消費ベースのシナリオに疑問を生字させる」との記述がある。
ブルームバーグの調査に答えたアナリストは、今年の経済成長率予測が下方修正されるとみている。今月およびすでに完全に織り込まれている12月の利下げに加え、10月にも利下げが実施される可能性が高まる。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のアナリストは、成長率予測が下方修正される場合、10月利下げが検討される可能性があるとして、標準的な利下げ2回分に相当する50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の年内利下げは「経済活動の明確な回復が見られないことを考えると最小限だ」と指摘した。
原題:ECB’s Economic Hopes at Risk as Consumers Put Spending on Ice(抜粋)
--取材協力:Jana Randow、Aaron Eglitis.
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Alexander Weber, Marilen Martin