「生成AI大進化」まとめ、2025年を占うOpenAIやグーグル、MS動向と予測
2025年、ビジネスでAIを使いこなすために
2024年は、生成AIがビジネスで本格的に利用されるための土壌づくりが行われた1年だった。「生成AI元年」の2023年は、利用できるツールの種類が限られていたり、性能面で不十分さが目立ったりするなかで「頑張って使っている」面もあったが、この1年間でビジネスで利用できるツールが一気に揃い、環境面のハードルは解消された。 そして2025年は、AI活用のハードルをさらに下げるものとして、自律的に動いてタスクをこなす「AIエージェント」が台頭してきそうだ。 たとえば、マイクロソフトが10月に発表した「Copilot Actions」は、毎日の業務終了時に重要なタスクの一覧を受け取ったり、顧客との会議前に最近のやりとりを要約したりといったことを自動化できるものだ。その都度指示を行うことなく適切なタイミングで実行でき、複数のアプリをまたいだ操作も設定できるので、AIを使った業務をより効率的に行えるようになるという。 また、グーグルも2024年12月にAIエージェントサービスの「Google Agentspace」を発表し、OpenAIは2025年にAIエージェントをリリースするといわれている。このほかにもセールスフォースやNECなどからも業務用のAIエージェントが発表されており、2025年の新たな潮流となることが予測できる。 ただし、AIが自律的にタスクをこなすようになっても、どの仕事をAIに任せるかの采配や、効率化されたことで生み出された人間の時間をどのように有効活用するかの判断は人間が行う必要がある。 今後は、プロンプトのテクニックを駆使してAIを「利用」するのではなく、AIとの「協業」を前提に、より広い視野でAIのあり方を評価する姿勢が求められるようになりそうだ。
執筆:ITジャーナリスト 酒井 麻里子