「生成AI大進化」まとめ、2025年を占うOpenAIやグーグル、MS動向と予測
【マイクロソフト】Copilotはますます業務の相棒に
ビジネスで生成AIを利用するユーザーにとっては、マイクロソフトのCopilotも身近な存在だろう。OfficeアプリケーションのサイドバーでCopilotを利用できる有料プランは、企業向けが2023年末に、個人向けが2024年が明けて間もなく提供された。 ハードウェアでは、Windows PCの新たなカテゴリーとして、「Copilot+ PC」が発表された。AIに特化したプロセッサーであるNPUが搭載され、一定の要件を満たしたPCが該当し、Copilot+ PC向けの新機能も一部提供が開始されている。 マイクロソフトの強みは、OfficeやWindows PCといったビジネスシーンで長く利用されているアプリケーションやハードウェアにAIを統合できる点にある。生成AI活用にさほど意欲的でない層でも、日頃使っている業務ツールに便利なAI機能が導入されたなら利用を検討するかもしれない。長年のリソースを生かしながら、AIと一緒に仕事をする環境づくりに貢献しているのがCopilotというわけだ。 そして10月には、Microsoft 365 Copilotを使ってさまざまな業務プロセスを支援する自律型エージェントも発表されている。今後はますます、AIを相棒として業務を進めることが当たり前となっていきそうだ。
【アンソロピック】高い日本語力でClaudeファンが急増
アンソロピックのClaudeが日本で大きな注目を浴びたのは、2024年3月のClaude 3のリリースがきっかけだった。その当時のChatGPTなどが出力する日本語は、「いかにもAI」という感じのクセがあったが、Claude 3は人間の文章に近いこなれた表現を実現。文章の作成補助に利用しているユーザーを中心に大きな支持を集めた。 6月にはカスタムチャットの「Projects」やプレビュー機能の「Artifacts」が利用可能になり、10月にはChatGPTやGeminiが先行して導入していたデータ分析機能も搭載。チームプランやエンタープライズプランの提供も始まり、業務で導入しやすい環境も整った。 モデルについても、6月にClaude 3.5 Sonnet、10月にはその軽量版であるClaude 3.5 Haikuをリリースするなど着々と進化していった。さらに開発者向けには、Claudeがコンピューターの画面を認識して自動で操作を行う機能も提供された。現時点では比較的シンプルな操作に限られるようだが、今後の進化に期待したい領域だ。 Claudeを提供するアンソロピックは、AIの安全性に重点を置いた企業方針をとっている。これは同社の大きな特徴だ。その方針ゆえかWebの情報を参照した回答が行えない仕様となっている点は少々不便ではあるが、「安全性」と「言語能力」というわかりやすい強みを備え、ChatGPTやClaudeとは少し異なる立ち位置で成長しているサービスだ。