出産環境の変化、あなたはどう思う?安めぐみ「9年前は産後ケアという言葉も知らなかった」#令和の親
◆産婦人科医・重見大介氏の「専門家の目線」
――平成から令和にかけて、出産・育児の環境はどのように変化しているでしょうか。 重見大介: 変化はさまざまですが、今回は3つに絞ってお伝えします。 1つ目は、高齢出産の増加です。2000年頃、第1子出生時の平均年齢は約28歳でしたが、近年は約31歳となっています。35歳以上の出産についても、2000年頃は全体の1割程度でしたが、近年では全体の3割程度にまで増加しています。これは社会環境の変化や、不妊治療の普及が影響していると見られています。 2つ目は、医療技術の進歩です。もともと妊婦さんは薬をあまり服用できないという制限がありますが、これまでに蓄積されてきたデータを継続的に分析することで、妊娠中でも安全に使えると判断された薬が少しずつ増えてきており、病気や疾患を抱えている妊婦さんにとって心強い助けになっています。また、妊婦健診等で赤ちゃんの病気を発見しやすくなり、早期の対策ができるようになりつつあります。 3つ目は、安さんが記事中でもおっしゃっていらした、産後ケアの変化です。2019年に母子保健法の一部が改正されて以降、産後ケア事業が法制化されました。平成と比べて、自治体の産後ケアの取り組みは盛んになりつつありますね。ですが、厚労省が調査した利用実態によると、2020年度の産後ケア利用者数は、年間出生数のうち1%前後のみと、まだまだ多くはありませんでした。今後「産後ケア」という言葉が広く浸透し、利用しやすい施設やサービスが増えていくことを期待しています。
◆育児・出産環境の変化、あなたはどう思う?
Yahoo!ニュースVoiceでは、 “時代と共に変化する出産・育児の環境”について、あなたの体験を募集しています。本記事にコメントを投稿してみませんか? ※後日、Yahoo!ニュース内コンテンツにて、いただいたコメントを取り上げさせていただく場合がございますのでご了承ください。 ===== 安めぐみ 1981年12月22日生まれ、東京都出身。レポーター、グラビア等の活動を経て、バラエティ、ナレーションなど幅広く活躍中。2011年にお笑いタレントの東貴博さんと結婚、2015年に長女、2024年に次女を出産。 重見大介 「産婦人科 x 公衆衛生」をテーマに、女性の身体的・精神的・社会的な健康を支援し、課題を解決する活動を主軸にしている。現在は診療と並行して、遠隔健康医療相談事業、臨床疫学研究に従事。企業向けの子宮頸がんに関する講演会や、学生向けの女性の健康に関する講演会を通じて、「包括的性教育」の適切な普及を目指した活動も積極的に行っている。 文:田中いつき (この動画記事は、TBSラジオ「荻上チキ・Session」とYahoo! JAPANが共同で制作しました) =====