厚生年金を「月額30万円」受給する人は何パーセント?高額受給者となる現役時代の年収はいくらか
高額受給者の割合が少ない理由
なぜ、年金受給額が30万円以上となる受給者の割合が少ないのでしょうか。年金額の基本的な仕組みと決定方法から見ていきましょう。 ●年金の基本的な仕組み まずは、老齢となることにより受給する年金である「老齢年金」について、基本的な仕組みを確認していきます。老齢年金とは、国が運営する公的年金の1つであり、国民年金保険料を支払うことで受け取る「老齢基礎年金」と厚生年金保険料を支払うことで受け取る「老齢厚生年金」の2つを指しています。 それぞれの年金には、保険料の支払いと年金額の決定において、次のように異なる特徴があります。 【国民年金(基礎年金)】 ・20歳以上60歳未満の全国民に加入義務 ・保険料は原則として一律 ・40年間分の保険料を納付することで満額の年金が受給可能 ・2024年度の満額受給額は年額81万6000円(月額約6万8000円) 【厚生年金】 ・70歳までの会社員や公務員が会社を経由して加入 ・保険料は給与に比例して決定 ・受給額は現役時代の報酬と加入期間により変動 ●年金受給額が決まる要素 次に、具体的な年金額の決定方法を説明します。 【国民年金(基礎年金)】 老齢基礎年金は、原則として国民年金保険料の納付月数に応じて決定します。 現在は40年間(480ヶ月)漏れなく納付をした場合81万6000円が満額のため、下記の計算式により実際の受給額が計算されます。 ・81万6000円÷480ヶ月×実際の納付月数 ※国民年金保険料の免除期間がある場合には、負担した額に応じて受給額も下がります 【厚生年金】 老齢厚生年金の支給額は、主に社会保険の加入期間と加入期間中の報酬(平均標準報酬月額)を元に「平均標準報酬月額×5.481/1000×加入月数」によって決定されます。 ※平均標準報酬月額とは、「被保険者であった期間の標準報酬月額の合計」を「被保険者であった期間の月数」で割った額 つまり加入期間が長く、報酬が高額であるほど、年金受給額は高くなります。 さらに、老齢基礎年金・厚生年金どちらの受給額にも影響するものとして、受給開始年齢があります。後ほど説明をしますが、受給開始年齢を遅らせるほど年金の受給額は高額になります。