もっと知りたい北方領土(2)“世界で最も美しい二重火山”は国後島に
“東洋の箱庭”「色丹島」は高山植物の宝庫
歯舞群島の北東20数キロに位置する色丹島は、島東側の斜古丹(しゃこたん)岳413メートルを最高峰に、ゆるやかな丘陵地帯となっています。高山植物の宝庫で、島全体が濃淡の緑に覆われ、戦前は「東洋の箱庭」と呼ばれた美しい景色が広がります。島の東南側には小島が多く点在し、西北側は断崖部が連なり、穴澗(あなま)港などの良港があります。「大きな集落のある地」という意味のアイヌ語が色丹島の名称の由来です。
世界で最も美しい二重火山・景勝地が多数存在「国後島」
国後島は十数箇所の温泉が存在する火山島です。世界で最も美しい二重火山のひとつと呼ばれる、北方四島の最高峰の爺爺(ちゃちゃ)岳(1772メートル)のほかに、活火山の羅臼(らうす)山(882メートル)、海底火山で出来た垂直の奇岩「材木岩」や「ロウソク岩」といった景勝地に恵まれています。 北方四島を訪れるときの玄関口となる入出域手続きが行われる古釜布(ふるかまっぷ)港は、この国後島の中心部にあります。国後島の名称の由来は「草の島」を意味するアイヌ語です。
1000メートル級の山々がずらり 日本最北端の島「択捉島」
北方四島最大の択捉島は、国後島と同じ火山島です。別飛(べっとぶ)温泉などの温泉もあります。島北端のカモイワッカ岬は、北緯45度33分にあり、日本最北端になります。西単冠(にしひとかっぷ)山(1629メートル)、散布(ちりっぷ)山(1582メートル)など1000メートル級の山々に覆われ、起伏の豊かな雄大な景色が広がります。島東部には落差約140メートル、途中に段差がない直瀑(ちょくばく)の滝としては日本最大の「ラッキベツの滝」があります。ちなみに同じ直瀑の滝として名高い華厳の滝は落差97メートルです。択捉島の名称の由来は、アイヌ語の「岬のあるところ」です。 (※内閣府北方対策本部ホームページ・同本部作成パンフレット「平成28年度北方対策~北方領土の返還実現にむけて~」参照)